登場人物:アッシュ ディスト ライナー
CP傾向:アシュディス
制作時期:2006年 夏
何をトチ狂ったのかアッシュ×ディスト!2の続き。
ED後200%捏造してあるお話。
登場人物全員に、別人注意報発令中!
あれから、数日。ディストは一人で普通に歩けるまでに回復し、少しだが二人の手伝いをするようになった。まだ、暮らし始めたばかりの掘っ立て小屋は、足りないものも多く、毎日アッシュとライナーは木を切り出しては、必要なものを作っていた。
暇を持て余したディストは、「自分に仕えることを認めるかわりに、最初のお願いです」などと、わけのわからない事をいって、ダアトまでライナーに布と裁縫道具を買わせに行き、カーテンやテーブルクロスなどをちくちくと縫いだした。
牢獄生活など、あったのかと思わせるほど穏やかな時が流れ、ディストは自分が充実しているのだと、徐々に実感し始めていた。
「明日、俺はここを出る」
「へ?」
そう、アッシュが話を切り出したのは、すっかり生活が落ち着いたある日の夕餉の席だった。
「アッシュ様……例の?」
「ああ、また帰るが、暫く戻らん。ライナー、後を頼むぞ」
「はい、ディスト様のことはお任せ下さい」
その言葉に力強く、ライナーが頷く。話についていけてないディストは、スープを装った木のスプーンを握ったまま、ぽかんとアッシュを見ていた。
「最初に言っただろう、俺は旅に出てることにしてるが、今はファブレの人間だ。本当は、家の力なんて使いたくねぇが……こればっかりはどうしようもねぇ」
「アッシュ様は、ルーク様として暫くキムラスカに戻られます」
「いつかはファブレを出る。だが、まだ準備が必要だ……」
「そう……ですか。わかりました。ですが、外は危険です。アッシュ、くれぐれも気をつけて下さい」
「ああ、危険だ。ライナー、ディスト、お前らも気をつけろ」
ライナーはまた一つ、深く頷き。ディストは、平和な三人の時間を一秒でも長く続くように祈りながら、スープを口へ運んだ。
三人の就寝は、早い。日が高いうちに、湯――成人男性がギリギリ入れる程度の湯釜である――に浸かり、日が暮れないうちに就寝準備を済ませて、夕餉を摂る。日が完全に落ちたら、蝋燭や暖炉の灯りしかなくなるためだった。
研究に明け暮れていた頃などは、昼夜逆転のような生活をしていたというのに、人生というのはわからないものである。
最近ではディストも、多少低血圧で朝が苦手なものの、早寝早起きに慣れ、この日も夕食の片づけの手伝いが終わると、就寝の準備に取り掛かっていた。
部屋割りは、はしごを使う、二階の狭いふきぬけ部屋がライナー。唯一の部屋が、ディストとアッシュの寝室だった。アッシュは、二階の狭苦しいふきぬけ部屋を使ってもいいと申し出たのだが、ここを空けることが多くなるアッシュのことを考慮して「少しでもディスト様がお一人で考えられる時間を」とライナーが譲らなかったのだそうだ。
最初は、奇妙な空間だと思っていたが、アッシュを頼るようになってからはそれも感じなくなり、むしろ近くに居た方が落ち着ける自分を否定できなくなっていた。
寝息の聞こえる距離で、人が寝ているというだけで、ひどく落ち着く。手を伸ばしたら、暖かいものに触れられると思うだけで、幸せだと思えた。生まれたときから、これまで、そんなことは一度もなかったのだから。
明日から、暫くその温かみを感じる事ができなくなるのだと思うと、妙に寂しくなり、つい、ディストはアッシュに話しかけた。
「アッシュ」
「……なんだ?」
アッシュは、蝋燭に灯るか細い明かりだけを頼りに、剣の手入れを行っていた。
「え、っと……あの、明日から暫くいなくなるんですね」
「そうなるな」
短く返される言葉に、どう話を切り出せばいいのかわからず、ディストがその長い髪を弄る。切られることなく、丁寧に揃えられただけの白銀の糸――変装して外に出る場合を想定してだと本人は言っていたが、まだそれは叶っていない――は、もとから童顔なのかはわからないが、そのいでたちを相当幼く見せていた。
切り出すに切り出せぬのだと、感じ取ったアッシュは、剣の手入れを止めると鞘に戻してベッド脇に置いた。
「言いたい事があるなら、早く言え」
怒っているつもりは全くないが、どうも口の利き方は簡単には直らないらしく、射すくめられたディストは縮こまりながら小声で話し出した。
「その、四十近い男が、こんな事をいうのもどうかと思うのですが……えー……と」
「言え」
「あ、あの……。少し、触れてはいけませんか?」
「はぁ?」
「や、やはり、おかしいですね。忘れてくださ」
「なんでだ」
「え?」
「まだ駄目とはいってねぇだろうが、理由くらい聞かせろ」
アッシュが腰掛けていたベッドから立ち上がり、申し訳無さそうに顔を伏せているディストに近づく。
「あの時……私を連れ出しに来た日です。あの時の事は、錯乱していたのでほとんど覚えていませんが……一度だけあの時私は、初めて人に抱きしめてもらいました。すごく暖かくて、今でも思い出すと落ち着くんです。何というか、安心……できるんです。でも、貴方は明日、国へ戻ってしまう。私はそう、不安……なのです」
訴えかけるようにディストが顔を上げる。昔の気位の高い彼は何処へ行ったのか、ただここにいるのは、温もりを知らないまま育ってしまった、不器用な男が一人。
「だから、少しだけでも……」
「てめぇなぁ」
「……って、わっ!!!!!」
次の瞬間、ディストはアッシュの胸に抱きこまれていた。
「何かと思ったらそんな用かよ。ったく」
「ご、ごめんなさい」
アッシュは、できるだけ優しい手つきで、ディストの背に手を回すと壊れ物を扱うように、その体を密着させた。近い身長の二人の、心臓の位置は近く、その鼓動だけが耳に木霊する。
優しい人間の体温が、薄い布ごしに伝わってきて、ディストは幸せそうに目を細めた。こんな風に微笑うのは、何年ぶりだろう……いや、あっただろうか。むかしむかしに、ネビリム先生に褒められて……あの時以来だろうか?
あの時の暖かさを求めて、どう足掻いても手に入らなかったのに、今は人とこうしているだけで、同じくらい……否、もっと嬉しいのだ。
では、ネビリム先生を求める必要がなくなった今、一番大切なものは……?
「アッシュ」
「次はなんだ」
「絶対、帰ってきてくださいね」
「あたりまえだ」
「離れたく、ないんです……貴方と」
「……?」
「ずっと、一緒に居たいんです」
ああ、そうか。ずっと、求めていたものは、この暖かさだったのだ。この人だったのだ。
「ライナーもいるだろうが」
「貴方の代わりにはなりません」
「俺で本当にいいのか?」
「貴方以外にはいません」
「そうか、ならもう何も言うことはしない」
アッシュはディストの肩を少し押して距離をとると、その唇に優しく唇を合わせて、ゆっくりと寝台へ押し倒した。
汝の罪は 4 へ
やっとアシュディスっぽくなりました!?!
しかし相変わらずの急展開で、見事に裏に行く前でぼかし終わり……。
だれかここのエロ書いてください……らぶらぶえろー(*´Д`*)
アッシュも成長したとはいえ、まだまだ盛ってますから、行動早いですね!
ディストは年齢計算していくと40はいりそうな上に牢獄生活で体力落ちまくっているので
色々大変そうです。
で、また暫くアッシュでてこない上に、急展開が続くのですが
大丈夫!誰も読んでないから!!!
と高をくくって気ままにやっていきます。(ぉぃ)
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