制作時期:2025年4月
藤凪先生の漫画をとうとう手に入れて読みました。
その熱のままF版のエルアーも書いてやれガハハ!
という軽いのノリで書きはじめたドタバタギャグケンカップルコメディ!
最後ちょっぴりCPぽいいかがわしい感じになるから
駄目な人は読んだ後に忘れてくれ。
3日で書いたので中身はスカスカ!
導線や設定はぐだぐだ!
散らけまくった伏線は未回収でヨレヨレ!
そしてエルクさんがすごくゲスゲス!
そこに喧嘩っ早いアークさんが加わってカオス。
彼らはノリで生きている。
アークの手料理が食べたい。
最初はそれくらいの小さな動機だった。
相変わらず切り詰めた生活を送り、稼いではすぐに底をついてしまうという不思議な生活をエルクは送っていた。
友達のリーザや親代わりのシュウが頻繁に遊びに来たり、様子を見に来たりはしてくれているから、今は食うに困ってはいないし、それなりにやれている。
だが、一度そう思ってしまうと、その邪念はなかなか晴れなかった。
あの日あの時、食べたアークの手料理はまさに至高だった。
贅沢に良い素材を使っているのもあるが、そうではない料理だって美味しい。一つ一つ丁寧に作られたそれは、食べたこともない優しい味であったりするし、スペイスが効いていて忘れられないものもある。特にやみつきなる甘辛い料理が舌鼓を打った。というかなんでも美味いのである。
食べたい。あのアークがつくる料理が食べたい。
だが、アークの事は嫌いだった。いや、昔ほど嫌いというわけではない。一緒に戦ったこともある。
けれど、願っても頷いて快く作ってくれるとは到底思えなかった。
「くっそ、こっちに来る事とかないのかよ」
そういって味気のない朝食の少し堅いパンを噛みちぎる。
忘れよう、そんなこと。と強く念じれば念じるほどその邪念は大きく膨らむ。
アークの手料理が食べたい。浴びるほど食べたい。
「だーっ、クソ!!! 慰謝料請求してやる!!!!!」
意味不明なことを喚きながら、いつもの用意をしてエルクは家を飛び出すと、その足でヒエンの発着所に向かう。
ヒエンはもちろん無人で、エルクは周囲気配に気をつけながらそろりと潜り込む。傷なし、燃料あり、点検済み。
そうして、エルクは盗んだヒエンで爽快に空に飛びたったのである。
トウヴィルについて、エルクは弾丸のように神殿まで直行した。
なりふり構わず突貫した異常行動であるという認識は多少はある。が、それよりも腹が減った。この空腹を満たしたい。何よりもアークの料理でたらふく腹を満たしたい。その欲求だけが彼を突き動かす。
暫くトウヴィルに滞在したこともあってか、数少ない住民からは顔を覚えられており、特に怪しまれることなく神殿へ直行する。
「たのもーーーっ!!!」
そう言って蹴破る勢いで神殿の扉を、叩く前に開いた。
バァン!!!!!!
勢いよく開いた扉が何かにぶつかる。普通よりなんか変な音がした気がして慄いた。
変わったチャイム音だなこの家、とどうでもいい感想を抱く。
「何っ!? う、うわっ!!!!!」
「あ?」
ガシャーン!!!!!!!
連鎖的に何か転けて落ち、派手めの盛大な音が神殿に響く。
やっべ、絶対何かやっちまった! と思いつつ、そろと扉の裏を見ると、そこには昏倒したアークと、倒れた脚立が落ちていた。
どうやら、扉の裏には脚立に乗って作業していたアークがいたらしい。
それが見事に開いた扉のカドにぶちあたり、脚立が傾き、上にいたアークが転倒して派手な音で倒れたというわけだ。
「なにっ!? すごい音したけどどうしたの!?」
奥から音を聞きつけて、慌てたククルがすっ飛んでくる。
「あら、エルクじゃない。来てたのね」
「いや、悪ぃ。なんか扉おもっきし開けたらぶちあたったらしい」
「あらまぁ、伸びちゃってるわね、アーク」
ククルはアークに近づくと、怪我の箇所を確認して手をあてる。優しい光がかざした箇所に集まり、たちまちにアークにできたたんこぶを静めていく。
だが、アークは目を覚まさなかった。ピクリとも動かない。しんだか。
「なんか、やべぇことしたか……?」
「いいえ、エルクのせい……もまぁ、あるけれど」
「あるんかい」
「これはこの子も悪いわね。実は彼、二徹明けなのよ」
「おっさんのくせに徹夜ァ~?」
私よりふたつ下で、まだ十六よ、とククルがジト目で補足する。知らなかったので大いにビビった。クセで言ってるが、まぁおっさんには見えないんだよな。妙に落ち着いた姿が大人に見えるだけだ。
そうして見ると、意識を失ったアークの顔は幼く見える。
「最近、付近に出没していたモンスターの巣を見つけたとかで、突貫で退治に出ていてね。今朝戻ったところだったのだけれど、寝る前に頼んでいた用事を済ませる~とか言っちゃって。後でいいっていったのに。で、それでこの子は今、昏倒ついでに寝てるのよ」
「こいつ、やることがたまに適当だな」
ククルが他の傷を確認したが、特になさそうだ。伸びているアークを他所にククルは脚立を拾うと、そこらの壁に立て掛けた。
「そんなわけで、エルク。この子を奥の部屋に運んでおいてくれるかしら。重いから運ぶ時は鎧類を全て外していいわ」
「はぁ!? 俺にそんなめんどくせぇ事をやらせんのかよ!?」
「あなたが原因で昏倒させたんでしょうが!」
「ぐぅっ、そ、それは……そーだけどよ」
ぐうの音はだしたが、ぐうの音もでないし、ククルにビシッと指摘されては強く言い返せない。こう見えて命の恩人なのである。何より怒らせるとめちゃくちゃ怖いのを知っている。歯向かったら死だと魂にまで刻まれている。
「じゃ、頼んだわよ」
そう言ってククルはそそくさと部屋を出ていってしまった。何か用事の途中だったようだ。
エルクは残されたアークに手をかけると、とりあえず黙って鎧に手をかける。そりゃこんだけ色々とガチャガチャ着ていたら、あんな音もでるわな? なんて自分の行動を棚上げし、全ての金属類を剥がして取り除いていく。手甲も甲冑もくそ重い。すべてここでサヨナラだ。
「ありがたく思えよ!? っとぉ…………れ???」
ようやく全て剥がしたアークの腕を引っ張り、勢いよく背に担ぐ。だが、それ……アークの体は予想以上に軽かった。
いや、人間の、しかも背丈はある男であるから全く重くないわけではない。だが、想像していたよりも軽い。
仕事柄、何度も成人の男性を救出で担いで走ったりはある。それを考えても軽いのだ。
「うっわ、ぜんぜんよゆー。楽勝~」
これくらいなら重いに入らない。なんてたって俺はつよっつよの凄腕ハンターだからな! なんて、思わず心の中で自画自賛する。
しかし、ここでふと魔が差した。背中には意識を失った100万ゴッズの賞金首。
周囲には誰もいない。何なら仲間に連れて行けといわれた。
そう、つまり……このままバレずにヒエンに乗って帰って……そして、こいつを指名手配犯として差し出せば……晴れて億万長者!!! ビンボー生活とはオサラバ!!!!!
倫理観など崩壊しためちゃくちゃな思想をするエルクが、あまりにも大金に目を眩ませた。
そうして彼は碌でもない作戦を思いついたのである。
「よし、勇者を攫おう」
キリッと真面目なシリアス顔になって、人気のない部屋でひとり呟いた。
そこから、アークを抱えながら、人に見つからないように来た道を戻り、ヒエンの狭い甲板にアークを下ろす。
ここまで誰にも見つかっていない、完璧な計画だと最高に悪い顔をする。
アークはまだ意識を失ったままでいるが、起きてもいいように後ろ手で縄で縛ると、エルクはヒエンを発進させた。
目指すは我が住処、インディゴスだ。
というか、見知った経路しか飛べないし、操縦も発着もまだわりと覚えたばかりで、知らない発着場には降りることもできない。
思わずニヤニヤと笑みが溢れてしまう。世界でも最高額の賞金がかかっている指名手配犯のアークを捕まえたハンターとして、きっと名声も手に入るだろう。
これまでどうして思いつかなかったのだ。彼がいるだけで一石二鳥、いや三鳥くらいある。
ギラギラとした高揚感に包まれて、エルクはひたすらにヒエンで駆けぬけた。
「ああ、賞金首のアークね。すごいじゃないか!!!」
インディゴスについて早々、縛り上げた昏倒しているアークを背負い、すっかり馴染みのハンター協会に踏み入れたエルクは歓声に包まれた。これまでにない偉業だ。
と、思いきや、それは秒で失速した。
「って言ってやりたいところだけど、つい先日、濡れ衣だったとかで指名手配は解除されたよ」
それを聞いた汗だくのエルクは、大口を開けてぽかんとすることになった。
「はああああ!!??????」
思わず素頓狂な声を漏らしてしまう。
聞いていない、いや考えればそうかもしれない。
これまで軽々と背負っていたアークが、突然ずしりと重くなったように感じる。粗大ごみじゃねぇか。
「そんな、今月ピンチなんだぜ!? これで全てが上手くいくと俺は思ってぇ……」
「残念だったなぁ、エルク。くくく」
周囲にいた同業者からも冷やかしや哀れみの声がかかる。いや、完全に笑いものにされている。
ムカつく~! アークを背負っていなかったら思いっきり殴りにかかるのに。
あとさき? そんなもんしるか! 知ってたらこんな事してねえ!
「しかし、これが元天下の大悪党のアーク・エダ・リコルヌか。手配書より幼い顔してんなぁ」
近くにいた男がひとり、寝ているアークの顔に触る。触れられた瞬間、何故かゾワリとして、おもいきり睨めつけた。
「おい、気安く触んじゃねぇよ。俺んだぞ」
腹の底から絞り出すように、苛立ちを声にこめる。
「悪い悪い。……ああ、でもこの、首からかけているこいつの飾り。これはかなり値打ちモンだぞ。金に困っているならそこそこいい値段で買い取ってやるが?」
そうだ、思い出した。この男はこの街でがらくたやジャンク品を取り扱っているアイテム売りだ。
ちゃり、と目の直ぐそばでアークの装飾品が光る。いつも彼が身につけているものだ。そんな値打ちがあるとは知らなかった。
飛び出して来たはいいが、金に目を眩ませてしまった通り、今は持ち合わせが本当に心もとない。
考えれば、そもそもアーク自体を売り渡そうとしていたところだったのだ。悩むのは今更なのだ。
よし、売るか。あの装備も置いてきた事にしてしまえばバレないだろう。悪いがまた新しいものを買い直してもらおう。
人攫いまがいのことをした時点で既に結構やばいことをしている事に気がついたエルクは、もういけるところまで落ちる決心をした。人間は現実を見た時、汚くなるのである。
アークの装飾品が予想外の値段で売れたため、懐もほくほくで、帰るまでに色んな食材も調達できた。
意識のないアークは重かったが、心はまだウキウキで運ぶのもへっちゃらだった。
後で怒られるにしても、どうせ会ったら喧嘩ばかりしているし、そんなに大差ないだろうという楽観的思想だ。
部屋に帰ると、アークをソファに寝かせる。おっと危ない、逃げられないように拘束してあるんだった。と慌てて縛ってある手首の縄を緩めて開放する。適当にベッドから毛布を剥ぎ取るとかけてやった。これで介抱した体になるだろう。
エルクは上機嫌で食材を冷蔵庫に詰めると、そのままシャワーに向かった。
「ん、……う……あれ? ここは、どこだ?」
夕方頃になり、うっすらとアークが目を覚ました。昏倒した時の痛みは既に回復されているから、痛むところはないだろうが、余計に何があったか思い出せずにいるらしい。ソファの上で上半身を起こすと、部屋を目視で確認する。
「ようやく起きたか、アーク。おそようさん」
「エルク!?? なんでここに」
「なんでって、ここ、俺んちだからな」
「はぁ!? な、なんで俺がお前の家なんかにいるんだ!?」
アークはキョロキョロしていたが、確かに敵意や異常を感じなくて、次はエルクを睨む。
エルクは気怠げに武器の手入れをしている。
「いや……んー、まぁ色々あったんだよ」
「色々!? そんな言葉で済ませるな!! ってなんだこれ、俺の装備がない!!!」
「えっと、トウヴィルに置いてきちまった」
「は、はぁーーー!?? 俺の鎧も、剣もか!?」
剣は見ていないが、鎧系は全部置いてきた。あれでも軽装備なのはわかるが、とんでもなく重かった。つまりは靴も置いてきた。ほぼほぼ身ぐるみを剥いでやったわけだ。ざまぁ。
「そゆこった……」
「証がない……勇者の証もか!?」
「なんだそれ」
「いつも首にかけているやつだ!!!」
流石に焦りだすアークを見て、冷や汗が流れる。
まずい。さっき金にしたやつだ。あれ勇者の証だったのか。
やべぇ、売ったぞ。さぁ、と血の気が引く。
「あー、おそらく、たぶん」
とりあえず適当にはぐらかしておく。だが、普段はなお突っかかってくるアークが意気消沈してしまい、流石に良心が痛んだ。
あれ、そんなに大事なものだったのか。金が入ったら買い直した方がいいかもしれない。そんな金が手に入る予定はないのだが。
「まぁ、今日はもうどうにもならねぇよ。てめえも風呂、入ってこい。かなり汚れてんだろ」
「いや、待て、そもそもこれはどういう状況なんだ!?」
「風呂から上がったらぜんぶ話してやるから、ほら。一度落ち着いてこいよ。ああ、中にあるものは適当になんでも使ってくれていい」
そういって脱衣所兼洗面にアークを押し込める。それなりに身汚い自覚と、落ち着いていない自覚はあったのが、ぎゃーぎゃー喚きながらもアークは従ってくれた。
がちゃりと風呂の扉が開け閉めされる音と、シャワーの音が続くのを確認して、エルクはひとつため息をおおきくつくと、中に踏み入った。
「おいコラ、エルク~~!!!!!!!!」
程なくして風呂から上がったアークから怒号が飛んでくる。
「あ? 狭いんだからそんなでけぇ声ださなくても聞こえてるっつの」
「俺の服、洗濯しやがったな!!!」
「当然だろーが、汚れてたんだし!」
そう、脱衣所に踏み入ったエルクは、残された服を全て洗濯機に突っ込んでスイッチを押した。洗濯機は今、元気に回っている。それを横目にエルクはしれっと答える。
「ふざけんなこのクソガキ! せめて着る服を用意しておけよ!!!」
アークはバスタオル一枚の全裸だ。出てくるのをためらっているのか、顔だけ出して喚いている。男同士なんだから、そんな気にする事か? と思いつつも、どやされながらタンスを開ける。
「ああ、忘れてたわ。おまえに入るような服つってもなぁ……俺の服はサイズ合わねえだろうし」
ゴムの緩めの下着はなんとか着られるだろうと引っ張り出し、他はどうしようか悩む。そこでシュウが泊まる時に使っている軽装を思い出して、そちらも取り出した。
シュウのTシャツに、トランクス一枚。それが今のアークに着せてやれる最大の装備だ。
「くっそ、バカにしやがって!」
「してねえよ! 貧乏な家の精一杯なんだ、諦めろ」
渋々ながらにTシャツにトランクスのアークがようやく出てくる。そこでアークが着太りするタイプだと気がついた。意外と線が細い。あれだけ美味いものを毎日つくっているのにか?
「さて、じゃあ説明してもらおうか。おまえが俺をここに攫って来た理由をな!!!」
「はぁ!? 人聞きの悪いことを言うなよ、おおお俺は攫ってなんかねぇし!!」
「ほんっとマジふざけんな、どの口だよ! 本当にそうなら、俺を縛ることなんてなかったろうが!」
でん、と腕首を見せられる。そこにはしっかりハッキリと縄で縛った痕が残っていた。ああ、これはバレるわな。
「あちゃあ」
「あちゃあ、じゃない! どうせお前の事だから金にでも目が眩んだんだろーが! このクズ! ドクズ!!!」
「うるっせーーー!!! もうてめえは賞金首じゃなかったんだよ! この価値ナシ野郎! 捨てずにここまで連れ帰った俺に寧ろ感謝しろよな!?」
「なぁにが感謝だ、この人攫いめ!!! ほんっとお前は見境が無いな」
「誤解すんな! 一応最初は他に目的があってトウヴィルに行ったんだぜ!?」
「途中でころころと変わる目的なんざ、どうせ大した事ではないわ! そも、なんで俺が巻き込まれきゃならんのだ~っ!!!」
ぎゃんぎゃんといつも通りの喧嘩の応酬の開始だ。いつも顔を合わせるとこうなるんだよな。
そこで思い出した。当初の目的はアークの手料理だということを。
目の前にいるじゃないか。作れる本人が。
それを思い出すと腹の虫も鳴る。
「……なあ、飯にしねえ? 腹減った」
「俺は怒ってるんだが!? そもそもここはお前の家なんだろ、好きに食えばいいじゃないか」
「いや、お前の作った飯がいい」
「はあ?」
いきなり大真面目になった顔に、アークが引く。いや、こいつ押したらわりとチョロいんだよな。根がお人好しなんだよ俺は知っている。
あと、たぶんアークも昏倒していた時間を考えると腹が空いているはずだ。
「材料はあるものなんでも使っていいから! な? な!?」
「まったく、調子のいいやつめ……エプロンは?」
「俺は使ってねぇけど、シュウやリーザが使ってんのならそこにかかってるだろ」
いつもみんなが掛けているところには、やたらふりふりの可愛いピンクのエプロンがかけられている。リーザの趣味だ。
あ、いいこと思いついたぞ。
「なぁなぁ、裸エプロンしてくれよ」
「は? ぶっとばすぞ」
めちゃくちゃ冷たい目で指をバキボキ鳴らしながらそう言われてしまった。やべ、あれはマジのやつだ。
「言っとくけどな、お前のしている事は拉致監禁だからな?」
それでもふりふりのピンクのエプロンを身に着けながら、アークは冷蔵庫を開け、調味料や調理具を確認していく。普段から触っているのか慣れた手つきだ。いくつか素材を取り出すとてきぱきと調理を開始している。
「はぁ~? ふざけんな、そんな悪趣味、俺にはねぇよ!」
そんなアークの手並みを、頬杖をついて眺めながら言葉を返す。
いや、結構良くないか? なんか嫁さんみたいじゃん。ちょっとエプロンの下から覗いてる脚が筋肉質なのが気になるが。
「手首を縛って無意識の人間を連れて来て、外に出れないように下着しか着るものを与えない。これが拉致監禁じゃなくて何なんだよ」
「ぅぐっ。それしかなかったんだからしょうがないだろ! 服が乾いたらちゃんと帰してやるよ」
「当然だ! てか最初からそうしろ! ったく、考えなしに動くからそうなるんだお前は。このバカ」
あまり言い返してヘソを曲げられて、料理する手を止められるのも惜しい気がして、今回はあえて黙って聞き入れておいた。
「へいへい」
さっと綺麗に盛り付けられたサラダの山からプチトマトを摘むと、ポイっと口に放り込む。飾り付けられただけなのに、アークが手掛けたというだけで、いつもより美味しい気がした。
それから、どういった魔法なのか次々と料理が出来上がり、運ばれてきては舌鼓を打つ。素材が良いとかじゃないんだよな、と改めて思う。アークの手料理は美味い。ひたすらに美味かった。食べたかったあの味なのだ。
そういえばどうやって作ってるか見たことないな、とそろりとキッチンに入る。熱心に手を動かしているアークの後ろに立つと、気配を殺してがばりと抱きついた。
「こらっ! なにするんだよ!? 料理中にひっつくな、危ないだろっ」
「いやぁな、なんか連れて来る時にほっそい気がしたんだよなァ」
と、言いながらも抱きついてごそごそと細さを確認する。やっぱりなんか細いんだよな。腰回りとか、胸筋もあんまり厚くないし。
「ちゃんとぜんぶ味見はしてるし、残ったものは食べてるぞ。……く、いいから離せ~!」
べしべしと頭を叩かれているが、臆することなくアークの体に手を這わせる。更にエプロンの隙間からシャツをめくって、直接肌に触れる。けっこーハリのあるすべすべの肌してんだな。まぁ一個しか違わないし、十六だもんな。
「ひ、ぃっ」
からん、と菜箸が落ちる音がした。
あ、なんかやべ。変なところを触ってしまったかもしれない。いきなりアークの口から飛び出した小さな悲鳴にぎくりと腕を停止させる。変な声出すなよ、と茶化して言おうした。
次の瞬間、吹き飛ばされて壁にめりこみ、天地が逆さまになっていた。アークが蹴りを解禁したらしい。
足癖悪ッ! とも思うが、流石に今のはやりすぎた自覚がある。めちゃくちゃ怒っているらしいアークが、逆光の影の中で黒いオーラを放つ。
「おいエルク、フライパンの海に沈めてやろうか?」
「……いいや。もう天国は見えてんだよなぁ」
ここは降参して引いておこう。
だって、逆さまになりながらも見てしまったのだ。アークの赤く染まった耳を。流石にいたたまれなくて、撤退を決意した。
ここでまさかのFアークのエルアー
いや、せっかく漫画を読めた記念にと思い書きました。
もっとアークさんにすけべ働きたかった()けど
たぶんF先生版のアークはつよつよの容赦なしツッコミ気質なので
このままいくとエルクのアパートが大破して終わる未来しかないので終了です。
あぶねぇ、軽率にシルバーノアが落ち世界だ気をつけろよエルク。
ちなみに勇者の証を売られたネタで続けようと思えば続けられる仕様にしてありました。
もちろん、そんなのはないです。(張られただけの伏線w)
人の装備を勝手に売るとか鬼畜の所業だな~……。
美味しいご飯が作れるアークさん、いいよね。夢がある。
[0回]
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