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水と炎の尾を引いて明日へと(皇国 ミリ×ガダラル)

登場人物:ミリ ガダラル

CP傾向:水炎

制作時期:2007年9月上旬

寂しがりのミリが
ガダラルの寝床に侵入する話
突っ込みどころ多いが気にしない

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 深夜、珍しく叩かれたノックの音で、僅かに意識を浮上させたガダラルは
開けた扉の向こうの者を見て、思考を停止させた。
こんな時間に何の用だ、と問う前に、目の前のミスラは

「一緒に寝ていい?」

なんて、心細そうに枕を抱きかかえて耳を下げる。
そう、彼女は間違いなく、同じ五蛇将のミリ・アリアポーだった。








「ミ、ミリ……」

「ナジュリスが……いないんだよ」

 たじろぐガダラルを気にするでもなしにミリは困った表情を向ける。
ナジュリスは今朝の市街戦にて捕虜として連れ去られてしまった。
既に居場所は特定されており、有志の救助隊が先ほど出立したところだ。
だから、今夜はここにいない。
そういえば、ナジュリスが『ミリったら、寂しくなったら私のところに一緒に寝に来るのよ、かわいいでしょう』
なんてほんわり微笑んで話していたのを思い出して、溜息をつきたい気分になった。

「ば、馬鹿か貴様は!だ、駄目に決まってるだろうが!」

「いいじゃない一緒に寝るくらい」

ガダラルとミリは、普段から思いのほか仲が良い。
黒と白の差があるとはいえ、同じ魔法の使い手という点と
常に孤高である姿勢が、不思議と互いを近づけていた。
しかし、それとこれとは話が別だとでも言うように、ガダラルは首を横に振る。

「分かっているのか?俺は男でお前は女なんだぞ?」

流石に、それはまずい。
年頃の男女が、例えそのような意識がなくとも
同室でただ寝るだけだとしても、それはまずい。

「そんなの分かってるよ。でもガダラルは僕のことそういう目で見てないでしょ?」

「当たり前だ、お前みたいな色気のけも無いような小娘、相手にせん」

「何かムカつく言い方だけど、じゃぁいいじゃん」

本当は、色気も何も、そのような色恋沙汰や欲求というものに興味がない、というのが正解である。
双方、それを理解しているからこそ、これまでそんな話にならなかったのだ。

「良い訳あるか!……いいか?そんな事してみろ、必ず変な噂が立つぞ」

「いいじゃん、そんな噂ほっとけば、いつもそんな噂気にしてないくせに!」

「ぅっ……」

返答に困るガダラルの横をするりと通りぬけると、ミリは一直線にベッドに向かった。
慌ててミリを追うガダラルの手が、宙の掻く。
おい、と声を荒げるが、ミリは確認も取らずにベッドに早々と潜りこむと
そのまま動かなくなってしまった。

ああ、面倒くさいことになってしまったと、頭をがしがしと掻くと
ガダラルはベッドに戻らず、隣の床にごろりと寝っ転ぶ。
流石に、いかに女子に対して興味が無いとはいえ……まずい。
別に紳士であるつもりはないし、好きだからこそというわけでもないし
逆にミリが嫌いというわけでもない。
自分はそれほど常識人でも良識人でもない、世間体を気にするわけでもない。
ただ、一緒に寝るのはまずいだろうと、何故か心が告げていた。


そんなことを考えていたガダラルが、何時までたってもベッドに戻ってこないことを
不思議に思ったのか、ミリが探すように顔を上げる。

「おいでよ」

床に寝転ぶガダラルを見て、不満そうに空いている箇所をぽふぽふ叩く。

「行けるか、馬鹿者」

「これじゃ、寝に来た意味がないじゃん」

そういながら、ガダラルのセミロングの髪をむんずと掴む。

ああ、もう。
何なんだこの娘は。
さっさと寝かせてくれ。

ピンピンと髪を引っ張ってくるミリがあまりにもうざくて
渋々とガダラルはできる限り離れてベッドに戻るが、元より一人用のベッドは些か狭すぎた。
限界まで離れてはいるが、互いに向き合えば息がかかってしまいそうだ。
仕方なしに、ガダラルはミリに背を向けて、ギリギリまでサイドに寄った。
だが、そんな努力を無にするかのように、背中に柔らかくて暖かいものがべたりとひっつく。

「こらっ!抱きつくな!」

「けち、ナジュリスは怒らないのに」

「俺とナジュリスとは何もかもが違うだろうが!」

「ボクのこと、何とも思ってないなら平気でしょ?」

「~~~~~っ」

それはそうなのだが、これではあんまりにもあんまりだ。
自分が変な気を起こさないと、自信でもあるのだろうか?
なんで自分の部屋で、妹分に抱きつかれて赤面しなくてはならないのか
さっぱり分からない。

「それに、ガダラルとだったら変な噂たってもいいし」

良いわけあるか!

「バカが!」

それでも、手を払いのけないのは、やはり気があるからなのか……そうでないのか。
ガダラルはスリプガを詠唱すると、無理矢理夢の国へ落ちる事にした。







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本当は、ミリにガダラルを襲わせるつもりだったとか
口が裂けてもいえません……(いってる!)

しかし相変わらず何が書きたいのか……


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