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特製昼休み(赤也×幸村)

登場人物:幸村 赤也

CP傾向:赤幸

制作時期:2007年9月末日


赤也と幸村が屋上でのんびりしてる話。
赤也だけ必死。みじかい。

※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
 本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
 それでもいいよ!という方のみお読み下さい。








 夏が過ぎた、心地よい風が通る屋上で
昼食を幸村と仲良く食べた切原は、寝転んでぼんやりと空を見上げながら呟いた。

「なんで俺、部長と同じ年に生まれて来なかったんすかね」

夏が終わって、引退の時期が近づいている。
スポーツ専攻で進学することができる立海大付属中は他の中学よりも引退は遅い。
全国大会決勝まで進出したレギュラーのほとんどはスポーツ専攻進学で、
特に引退は遅く冬に近づく頃になるが
今週末には部長の座の移行が行われると聞いたし、この涼しさがよりそう思わせる。

もうすぐ、先輩達が部活から消える。

そして、もう少したったら、同じ学校とは言え高等部に上ってしまうのだ。

「俺は赤也がいっこ下で良かったと思ってるよ?」

「なんでっすか」

寂しいくないのかと聞きたい、俺は寂しいのに。
想いが叶った大好きな人と、校舎すら離れたら……
ただでさえ他学年故に会えないのに、もっと会えなくなる。
俺との時間なんてどうでもいいんスか?
そりゃ、俺の方が圧倒的に言い寄ってるんですケド

「だって、可愛がれるし」

「なんすかそれ、一緒でもかわらないとおもうんですけど」

「ダメだよ、すごいかわる」

幸村部長は、水筒から湯気のたつ番茶をコップに注ぐと、ふぅふぅと冷まし始める。
まだ動けば汗もかく季節なのに、ここでホットと言うのが三強の謎だ。

「赤也はなんで一緒がいいんだ?
俺は部長で、ひとつ上だけど、赤也とは対等に付き合っているつもりだよ」

赤也が感傷に浸るなんて、珍しいじゃないかと、目を細めて頭を撫でられる。
絶対対等なんかじゃないっしょコレ!なんて心でツッコミながら
昨日、先輩に言われた言葉を思い出して頬を膨らませた。

「だって、仁王先輩が……」

「仁王が?」

「授業中に居眠りしてる部長がすっげーかわいかったとか言うんスもん」

「はぁ?なんだそれ」

仁王先輩は柳生先輩が好きで、いつもちょっかい出してるから
幸村部長を取られる危機感とか嫉妬とかそういうものは沸かないけれど。
やっぱりおざなりな扱いをされていたとしても部長とは”オツキアイ”してるわけだから、何だか悔しいのだ。
誰かに可愛い顔晒してるのが。

同級生でないと絶対に見れない顔。生活。
俺だって、触れたい。
部活なんかじゃ全然足りないのに、それすらも終わりそうだなんて……
ほんと、この先の事を考えるだけで胸が苦しいのに
このコート中以外ではふわふわしてる先輩は、そんな事は全く考えていないようだ。

「俺も、見たいっす」

「何を?」

「寝顔とか」

「ピンポイント?」

「それ以外も」

「例えば?」

「全部ッス!!!!」

「ははは」

「はははじゃないッスよ~!」

何がおかしいのかサッパリわからないが、朗らかに笑い声を上げている幸村部長に、ちょっとだけイラっとするも
敵わないなと改めて思う。

「ごめんごめん、赤也が可愛いものだからついな」

「可愛いとか言われても嬉しくないッス」

「なんだよ、赤也だって俺のこと可愛いって言うじゃないか」

「それは本当なんですもん」

「じゃ、俺の方も本当だしいいよな」

「う……」

筋が通っているものだから言い返せなくて、面白くなくて顔を背けてしまった。
本当は「かっこいい」とか「頼れる」とか言ってもらえる方が嬉しいんスけどね。
役不足だと理解していますけどね!
ああもう悔しい!

「ほらほら、不貞腐れてないで……おいで、赤也」

「なんスか、俺今機嫌悪いんスけど」

「いいからいいから、おいで」

手招きされて、渋々隣に座りなおすと、優しい石鹸の香りと一緒にぎゅっと抱きしめられた。
あ、やばい嬉しい。
って、俺拗ねてたんじゃん!何ほだされてんだ俺!
つか今の会話、成立してなくね?

「それじゃ、寝よっか」

そのまま部長の容赦ない力で、共にぱたりと屋上の床に倒れる。
心地よく吹く涼しい風と、青い空と、陽気と、幸村部長の温もりに包まれて
ちょっと最高じゃん、なんて思ったけれど
状況に気づいて慌てて声を上げた。

「って、ぶちょ!午後の授業っ」

「いいよ、どうせ出ても寝るんだし」

この調子で頭脳明晰なんだからたまったもんじゃない。
俺は毎回、赤点に近いラインをふらふらしてるっつーのに
いくない!ほんといくない!

「だめっすよ」

「なんだよ、どうせ赤也はもう授業についてけてないんだろ?」

「そーッスけどぉ!!!」

ああ、ひどい。でも今のは真実なもんだから言い返せない。

「俺がちゃんと後で、教えてやるから」

「えっ?」

「俺の寝顔、見たいんだろ?」

「それは……」

滅茶苦茶見たいっす。
いいや、もう、流されてしまえ。
既についていけてない授業なんかより、部長の寝顔の方が
優先順位高いに決まってるっつーの!

既に目を閉じて、俺をしっかり抱き枕がわりにしている幸村部長を
しげしげと眺めて、綺麗だな、なんてにんまり笑った俺は
心の中でお天道様におやすみなさいを告げて、目を閉じた。










仕事中にふと思い浮かんだ赤幸。
赤也は幸村の学園生活を見られなくて悔しがってるといい。
なんつーか独占欲?みたいな。
ちなみにうちの幸村さんはあまり独占欲が強くありません。
自由主義だから!そしてそんな気兼ねしなくても
自分は赤也を愛しているし、赤也も同じくという謎の絶対な自信があるから。
……電波なんですよ、所謂。

あかゆきはほんっと可愛いなぁ!!!

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