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戦場の中でしか救われぬ魂よ(皇国 ミリ×ガダラル)

登場人物:ミリ ガダラル

CP傾向:ミリガダの馴れ初めだと言ってみる

制作時期:2006年9月末


ミリとガダ可愛いどー!というマイナー根性で書いて見ました。
たぶんほのぼの。
ミリガダのつもりがただの会話といったところ。
ここの二人はどうやら仲良しみたいですよ?


 









 穏やかな陽射しが降り注ぎ、音の聞こえぬ爽やかな風が吹き抜ける。
先日マムージャ蕃国軍の襲撃を受け修羅場と化していたここ、アトルガン皇国の下層人民区アルザビは
戦いなどなかったような平穏を取り戻し輝いていた。

一度戦いに入ると寝ずの戦になる正規兵達に、久しく休暇が与えられることになり
街の露店は兵士を含めて更に賑わいを見せていた。
この一週間あたりは蕃族の襲撃もないと判断されたためである。

そして正規兵である五蛇将達にも同様に、久々の休みが訪れたのだった。



「ライアーフがちゃんと食べているか心配なの」

と、家に帰っていったアトルガン地区に家族持つナジュリス。

部下達と遊んで来ると出て行ったまま昨夜から戻らないザザーグ。

朝から自分だけはまだ仕事が残っているのだと、相変わらずの真面目顔で兵舎を出て行ったルガジーン。

休日は決まって人前に姿を現わさず、自分の部屋かワラーラ寺院の図書室で本の虫になっているらしいガダラル。

各々が好きな時間を過ごす中、水蛇将ミリはと言うと……何もすることがなく
ただぼんやりと空を眺めて時間を潰していた。

「おやすみとか言われてもな……」

戦うためにアトルガンに来て、余暇の時間の事など考えたこともなかったミリは
思わず暇すぎる時間に溜め息をついてしまった。
将軍になるまでは、チョコボを駆ったり、狩りをして遊んだものだが、いくら休暇といえど
五蛇将がアルザビから外になど出かけて良いはずもなく。
家族や親しい友人がいるわけでもなく、特に遊びや買い物に興味も無いミリは暇を持て余すばかりであった。

「暇だな、故郷のみんな元気かな……」

ぼんやりと休憩室のソファに座ると、ミリはやがて小さく欠伸を漏らして、スヤスヤと寝息をたてはじめた。










 ふと風を強く感じて、ミリは耳をたてた。
見渡すとそこは見慣れたワジャームの森林が広がっており、
あたりは薄暗かった、だが視界ははっきりとしている。
ミスラ特有の夜目がきいているのだろうか、これなら敵は見つけやすい。
そう、漠然と思いながら、ミリは身を低くしながら、警戒心を研ぎ澄ませて注意深く歩き出した。
湿った草と土のにおいがする。
戦いのことに集中しなければならないのに、無心の中で思い浮かぶのは故郷の草原で
……寂しくもなるが、冷めた気分にもなった。
こんなことでは駄目だと、気を奮い立たせて棍を強く握り直す。
戦場特有のピリリとした空気を吸い込み、土の防御壁を生み出す白魔法を唱えた。


 次の瞬間、人の気配を側面に感じる。
その箇所の草がかさりと動くが、覆い茂る草木に隠れてその姿は見えない。

「誰だっ!!」


敵意は感じられないが油断はできない。
武器を構えて、ミリはその一点を鋭く睨んだ。








「ッ!?……」

 急に視界が明るく開ける、何事かと目を見開き周囲を見渡した。
目の前に居たのは他でもない、驚いた顔でこちらを見ている、先輩の同僚である炎蛇将のガダラルだ。

「あ……あれ?ガダラル?」

「…眼が覚めたか」

そこはいつもの兵舎の談話室で、自分は居眠って夢を見ていたのだと、ミリはぼんやりと
する頭で理解をする。

「あれ?ボク寝ちゃったんだ?」

「そのようだな」

ガダラルを見上げると、その腕には柔らかそうな肌布団がかかっており、本人は気恥ずか
しげにブツクサ文句をいっている。

「こんなところで居眠りすんじゃねぇ、風邪をひいても知らんぞ」

「え?……うん」

顔を見られていると思ったのか、「別に心配しているわけではない」と言い訳をするように口を開き後を向くと
彼は肌布団を器用に両手でたたみだした。
それを覚醒しないままの瞳で見ていたミリは、先程の夢を思い出して、ぽつりと呟く。

「ボクね、この国に戦争しに来たんだ」

「?」

ミリが漏らす小言に、続く言葉があることを悟ったガダラルは、手を止めてその小さな声音に耳を傾けた。

「ボクは戦うことしかないのにさ、いきなり自由に遊んでもいいとか言われてもわけわかんないよ」

「そうか……」

「ウン」

ガダラルは止めていた手を動かし、布団をたたみ終えると、合槌をうつように呟いた。

「俺もそうだ、この国に戦いに来た。ここに来るまでも、戦場に身を置いていたがな。
俺は戦場しか知らない、だから俺もこういう時間はあまり得意ではないな」

そこで言葉は切られ、沈黙が流れる。

「そっか。……ねぇ、ガダラルは何してるの?お休みの時」

ミリがガダラルを見上げると、彼は一瞬だけ視線を合わせ、すぐに遠いところを見やる。

「敵を、殺すための勉強だ」

それは即ち、精霊魔法であり、兵法や戦略なのだろう。

ガダラルが休みに余暇を楽しめるような性格でないことは分かっていたが、あまりにも彼
らしくて、なんだかほっとする。
戦場の中でしか救われない魂は、ここにもあるのだと。

「ボクも……一緒にいい?」

「む?」

気がつけば、ミリはそう口にしていた。

「ごめん、なんでもな」

「好きにしろ」

そう自分で理解し、撤回の言葉を口に出したと同時に、短く返事が返される。
今の言葉は本当なのかと、寝ていた耳をピンと上げた。

「……。あ、うん。えっと……ありがと……」

目を見て礼を述べると、どうやら言われ慣れていないのか視線を彷徨わせているようだった。
ガダラルは少し狼狽えながら、肌布団を椅子にかけると、ミリの視線を振りほどくように厨房へ向かう。

「だが俺は、白魔法のことは解らんからな」

ああ、なんだそんなこと。
エプロンを素早く身に着ける彼を見ながら、ミリは少しだけ笑った。

「うん、そっちははなっから期待はしてないからいいよ」

「ッ!」

自分でも可愛くない回答だと思ったが、ガダラルが白魔法に疎い事は知っているし
事実なので悪いとは思わなかった。

「んじゃ、ボクもお勉強の用意してくるから」

部屋からとってくると、ソファから立ち上がると、絶句していた彼が
呆れたように、だが安心したように溜息をつくのが見れた。
きっと自分を子供扱いしているに違いないと、少し癇に障る。

「……適当に降りて来い、先に昼飯にするぞ」

のだが
どうやらいつもと様子の違う自分気にかけていたのだと気づいた。

「ガダラルって、口汚いけど優しいよね」

「っ!世辞を言うならもっとましなものを考えろ!」

思ったことを素直に言葉にしたのに、と思いながらもミリは談話室を後にした。



 ビシージでは、あの気難しい彼とは正反対の場所で戦う自分……。
でも、それでもせめて近くに居る時は、傭兵どころか皇国兵にまでも不人気な、
不器用な優しさを持つ彼の理解者になりたいと。
ミリはこの時初めて、この国に願う心を見出だした。







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誰か本気で文才ください。
ここまで面白くない話がかける自分はいっそすごいと思います。

とりあえずミリとガダを会話させてみよう!という低レベルなコンセプトのもと書いて行きました。
二人は似たもの同士だといいです。
なんての?一匹狼?
ほんと可愛いコンビですよね!!!
あーいつか、ミリに護ってもらってるガダラル書きたい!!!
んで、ミリに受けてるガダラル書きたい!!!!
(ぇ?)

どっちも簡単にさせてくれないから困ったものだ。



ちなみにおまけ会話(実はこれがかきたかった)



「ねぇ、ガダラル」

「何だ」

「ガダラルは白魔法使わないの?覚えてないならボクが教えてあげるよ」

「ちんたら回復など性にあわん。そういうお前こそサポを戦士から召喚や黒に変える気はないのか?」

「ボク白魔道士だけど、五蛇将として前に出て戦いたいんだ。だから戦士でいいよ」

「そうか」

「今日はさ。勉強やめにして、戦闘訓練にしない?ボクもガダラルも体力ないしさ」

「まぁ、構わんが」

「大丈夫、手加減してあげるから」

「っ!?俺の方が格下だとでも言うつもりか!」

「……ガダラルはどうせ両手棍使うんでしょ?」

「と、待て。俺の武器は両手鎌だ!」

「ボクに対してアイボリシックル振り下ろせるの?」

「むッ!!!……畜生。」




両手棍が劣るとかそういうことはないんですが……
ミリに刃物振り下ろせるような男じゃないみたいです。

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