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呪いの花飾り(過去 シャントット×ルテテ)

登場人物:シャントット ルテテ

CP傾向:シャンルテ

制作時期:2008年6月上旬

百合ですが何か?








 ライバルは憎め、蹴落とせ、潰せ。幼い頃からそう教えられて来た、それは当然のことであって、何も違和感を感じる事はなかった。

「この花、あなたに差し上げますわ」

「え?」

 きょとんと小首をかしげる相手に、押しつけるようにリラコサージュを突き出して、タルタル族の少女は不敵に笑った。

「いい……の?」

「ええ、よろしくてよ。わたくしにはこのような物、必要ありませんもの」

 そう素っ気なく返すと、少女はほんわりと微笑んで、「ありがとう」と花を両手で受け取った。
 それも作戦のうちだった。賢人を親類に持ち、成績優秀、魔力も実力もトップクラスのライバルを蹴落とすための。
 頭を守るには心もとなさすぎるその花飾りに、更に呪いをかけて贈り、つけて無ければつけて欲しいと頼み込む。
 ヤグード族との戦いが絶えぬ今、さっさと戦死でもすればいいと思った。



それが、後に問題になるとは思わなかった。



「ルテテ。あなた、まだその花をつけて戦場に出ていますの?」

 戦の中で久々に会った。いつの間にか大切になっていた彼女は、これから戦に赴くというのに、変わらず花飾りを頭に挿して、ほんわりと眠たげに微笑んでいる。
 昔あった敵意は今はない。

「そんなものでは頭をいつかち割られてもおかしくないと思いませんこと?」

 厳しい顔で詰め寄っても、彼女には効かない。それは分かっているはずなのに金髪のタルタル族は腰を手を当てて軽く睨む。

「でもこれは、あなたに貰った初めての大切な贈り物だから……」

「ルテテ、人の話をお聞きなさい。装備せずとも持っているだけでも良いですのよ?」

「だめよ。この飾りは、お守りよ。私にとって、どんな防具よりも優れているの」

 それに私自身は戦わないから。そう微笑まれて、シャントットは結局、流されたのだった。

 昔、嫌味であげたものとは言え、贈り物を大切にして貰えることに悪い気はしないし、ルテテ本人が戦うことがないというのも知っていたからだ。

「私は平気、あなたの想いが守ってくれるから」

 その言葉を信じて北へ旅立った。お互いの未来がまた交わりますように。また会える日まで、その微笑みが守られますように。花飾りに想いを託して。





 ガルレージュ要塞が完全に陥落し、要塞の防衛部隊が全滅したと聞いたのは戦が明けた後であった。





呪いはとかれたんでしょうかね?
そんなわけで自分だけしか考え付いていないであろう
マイナーもここまで来たら絶望的なシャントット×ルテテの百合SSです。

ルテテ様ののんびりほんわか加減に実はベタ惚れ甘やかしまくり!
なシャントット様とかオイシイと思いませんか……。
だめかな。

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