登場人物:ミリ ガダラル
CP傾向:ミリガダ
制作時期:2006年
ギャグでもシリアスでもありません。
容赦なくミリがガダラル襲ってます。
女×男www
[0回]
不意に、覚醒した。
月の薄い光が部屋に注ぎ込む真夜中、ガダラルは一瞬にして意識を確かにさせる。
彼は、ミスラのように匂いは分からない。
ガルカやエルのように気配も察知することはできない。
彼の最大の武器、それは魔力。
その武器を最大限に生かして、近付く気配を探った。
この気配はアイツか……また懲りずにコノヤロウ。
否、娘か。
そう心で呟いた瞬間、急激な眠気に襲われる。
黒魔法スリプルのような不気味な眠気ではない。
癒されるような眠気だった。
ガダラルは、抵抗を考える間もなく、その意識を再び夢へ誘った。
蕃族の襲撃が三戦続き、ようやく暫くの平和をもぎ取った次の朝。
皇国首都防衛軍兵舎では明るい兵士達の声で賑わっていた。
その声が遠くに聞こえる将軍用の談話室で、備え付けの新聞を読んでいたガダラルは、勢いよく扉を開ける音に顔をしかめさせた。
「ねぇガダラル、聞いてよ!」
「ぁあ?なんだ、やかましい」
新聞に落とす顔を上げることすら面倒で、ガダラルは声だけで入って来た少女を邪険に扱う。
そんな彼を気にすることなく少女は側に駆け寄ると、嬉しそうに尻尾を揺らめかせた。
「西の大陸中の国で新しい白魔法が開発されたんだって!」
「……。興味ねぇな」
「ちぇ、ノリ悪いなぁもう。でさ、明日のお休みに買ってこようと思うんだ」
新しい魔法に思いを馳せて、少女の瞳がキラキラと輝く。
その様子を横目で見ていたガダラルは、小さく溜め息をつくと一言呟いた。
「勝手に行け」
「ガダラルに一番に使ってあげるよ!楽しみにしてなよねっ」
少女はそのまま通り過ぎ、扉の前でびしっとガダラルを指さすと、フフンと不敵に笑って出て行った。
「フン、援護魔法だったら……だぞ?」
そう、扉が閉まる間際に付け足したのだが、果たしてその言葉は届いたのか定かではない。
そして漠然と思う。
アイツ、帰って来たのか……。
そう頭で捉えて、半分夢に漬りながらまどろむ。
そんなやりとりをしたのはいつだったか……確か三日前くらいだったと思う。
蕃族共の襲撃は暫くないと判断された久々の長期休暇の前日だ。
「ガダラル、起きなよ」
そんな夢と現実の合間でふわふわしていたら、頬ペシペシと叩かれる。
そして、本格的に目が醒めた。
「!!!!?!?ッミリ!?」
起き上がろうと腹筋に力を込めるも何かに邪魔をされて頭は枕へと戻る。
「な、なんっ……」
「へへ~♪ガダラルただいま」
不敵に笑みを浮かべる相手、水蛇将ミリを見て、ガダラルは不満げなオーラを隠そうともせず盛大に溜め息をついた。
「邪魔だ。どけ、ミリ」
起き上がれなかった原因は、ずばり彼女の体重。
そう、ミリはガダラルに跨がる形で乗っかっていた。
「やだ」
得意げに伸し掛かるミリは動こうとはせず、嬉しそうに見下ろして来る。
「みたみた?新魔法リポーズ!」
得意げに尻尾を振ってミリが笑う。
「見てねぇよ、それより貴様何処から入った!?カギはかかって……」
「何処って、入口、ボクを誰だと思ってるのさ」
にっこり笑ってドアを指差すと、ミリは本格的に腕を拘束して来る。
元暗殺者だという事を忘れたつもりはないが、してやられたと言う気持ちはある。
「……で、何をしにきた。新魔法の報告なら明日にしろ」
「この状況見てわかんないの?襲いに来たに決まってんじゃん」
「ハァ?」
襲うとは何だ、意味がわからない。
仲が悪いつもりもなかったが、好意をそれなりに寄せられているというか、懐かれているのもわかっていたが。
そういう問題じゃない、意味が不明すぎる。
こめかみに痛みを覚えて、険しい顔でじっとミリの顔を見る。
そこで数秒止まっていたのだが、ガダラルが瞬きをしたその瞬間、捉えられた腕に力が込められた。
慌てて目を開けると、近づくミリの顔。
「っと待てミリ!うあっ!!どう考えても逆だろうが!」
「何が?」
「位置がだ!!!」
「フフン、知らないの?ミスラは男に遅れを取るべからず!ってね」
「はあぁあ!?」
「ミスラ族は女が主導権を握るもんなんだよ。ってわけで、今日は寝かせないから覚悟しなよね!!」
「ちょっまっ、本気かっ!!!」
アトルガンの夜中に、くぐもったガダラルの悲鳴が響いた。
ミリにガダラルを襲わせていいですよ、っという方がいらしたので
真に受けて書いてしまいました。
本当は本番EROとか行きたいんですけど根性と能力が足りませんでした。
ミリとガダラルはにゃんにゃんしてたら可愛いですよね!
ミリに翻弄されるガダラル!
ところでミスラ族の掟は適当です。
でもミスラ族だからそれくらい強いって信じてる。
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