登場人物:マクシミリアン リア デオン
CP傾向:マクデオ のつもり
制作時期:2006年
シリアス……?
デオン>>越えられない壁>>恋人 のリア様
パシン
乾いた音が、薄暗い部屋に響く。
その部屋には、女性に見間違える程の美貌を持つ青年と、無表情の凍て付きそうな瞳を持つ青年が静かに対峙していた。
「何故だ?リア」
表情の無かった青年が、僅かながらに眉を下げる。
押さえられた白い手の甲が微かに赤みを帯びていた。
「私に触れては駄目よ、マクシミリアン」
対する彼は、硬い表情を崩す事無く、静かに、しかしきっぱりと言い切った。
「私は、貴方を愛しているわ。けれど、この身体は弟のもの」
「だから、君には触れられない?」
「ええ」
瞳を閉じて肯定するリアを見て、マクシミリアンはまた無機質な顔を取り戻す。
「弟の…デオンの心が貴方に向かない限り、私に触れることは許さない」
「リア……」
切なげに揺れる吐息混じりの声音に、リアが冷たい視線を送る。
「帰りなさい、マクシミリアン」
恋人よりも、弟を取る。
何とも彼女らしい一面に、マクシミリアンは渋々といった風に後ずさった。
「わかった。また、会いに来るよ」
そう呟いて溶け消えるように姿を消したマクシミリアンの、その後の闇を暴くように、リアはただずっと睨み続けていた。
星降る夜空の下で、マクシミリアンは白い息を吐きながら空を見上げていた。
つれないだなんて、思わない。
愛されていないとも、思わない。絶望も、感じてはいなかった。
この世界に、リアの魂が在る。
「平気だ、リア。デオンごと私が全てを愛すればいい」
ただ、それだけのことだ。
リアの魂が共に在る。
それだけで、彼の全てが愛しいのだ。
何も問題はない。
混じり合う二つの魂。
「ただ、彼が私のことを怯えているようだ……」
さて、どうすべきか マクシミリアンは答えることのない風に、静かに問い掛けた。
「姉さん、聞こえているかな?」
月の光だけが部屋を照らす暗い部屋で、デオンは天井を見上げながら呟いた。
部屋には、既に寝息をたてている従者が一人。
「僕は……いいよ。姉さんが望むなら」
彼と対峙したあの一瞬の、泣き叫びたくなるような切なさが、思い出すだけで胸を締め付ける。
自分の感情じゃない。
あれは、己に潜む姉のものだ。
魂が混ざって行く恐怖は、ないと言えば嘘になる。
しかし それでも
「姉さんが喜ぶのなら、僕の身体くらい……」
喜んで差し出すよ。
だから、泣かないで、姉さん……。
問い掛けても、内に眠る姉の声は聞こえない。
ならば、デオンはただ願うだけだった。
初シュヴァリエ作品がマクデオ(リア)とかどうよこれwww
最後までにデオンの一人称に悩みました。
人前では「私」だけど、心の一人称は「僕」な気がしたんだけど
確認のしようがなかったんだぜ……!
ちなみにマクデオもデュラデオもロビデオも美味しくいただけます。
リアは弟が大事なので、基本的に厄介払い係です。
つまり根本的に姉×弟なのか!
そゆことか!
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