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同題SS紡時まとめログ (幻水紡時 三百年組)

登場人物:レネフェリアス ゼフォン ルガト

制作時期:2012年4~5月

Twitterで参加していた『同題SS紡時』のログまとめです。
140字なので、色々句読点が足りなかったりします。
三百年組はCPを考えずコンビ的に書いていました。




<三百年組/夢>
「ねぇレネフェリアス、海を見たことある?」
「遠目に夜の海ならば」
「いいな、海は空よりも濃い綺麗な青色なんだって。そうだ、いつか一緒に見に行こうよ」
「ゼフォン。私は…」
「大丈夫、僕が連れて行ってあげるから」
「……そうか、それは楽しみだな」
遙か昔に、僕達は叶わぬ夢を見た。



<三百年組/桜>
「桜と梅、どっちかな?」
「それは馬鹿の話かな?」
「そう、この時代樹はどうなんだろうね」
あの会話は、軽い茶目のつもりだった。
我々を守る神の樹は、どちらにせよ美しかったからだ。
「梅かと思っていたけれど、どうやら桜みたいだね」切られて腐ってしまったよ



<三百年組/背中>
「1人が背負えるものって、そう多くはないんだよ。だって背中は一つでしょ?」
いつしか君にそう言った。つらいなら、ちょっとくらい逃げたっていいんだよ。
でも君は少し悲しそうに微笑んで言った。
「それでも背負わなければならないものもあるのだよ」



<三百年組/眠り>
こんな遠くへ来てしまった。
一番会いたい君に会う資格が、今の僕にはないけれど、想うくらいは許されるよね。
ねぇ、君は今どうしているのかな。寂しい?それとも幸せ?後者だといいな。
せめて寂しくないよう、君のために灯りを一つともして眠るよ。



<三百年組/眠り>
君は今、迷っていないかな?
例え意思に添えなくても、近くにいれば「寂しくないよ」って君に微笑みをあげられたのに。
あの時僕は、孤独が君に陰を与えるなんて、知らなかったんだ。
せめて今夜、君の夢の片隅にでも入れれば君の手を握れるのに。



<三百年組/幸せ>
幸せとは何たるか?その答えは種の生存でなければならなかった。
それが己の使命であり、存在理由だったからだ。
だが、時たま思い出す。昔、隣で笑っていた彼を。
己と彼の幸せは違うのだろう。
けれど、彼が今も幸せであればいいと、見えぬ空に願った。



<三百年組/幸せ>
いつだって幸せを感じると、君を思い出した。
見えない鎖で繋がれた君に幸せをあげたくて、でもできないから、いつしか多分な幸せを拒むようになった。
僕だけが幸せなんて、そんなの許されないよね。
そして今日も、日常のささやかな幸せを君に届けたいと願う。



<三百年組/指先>
昔はよく君と手を繋いだ。
君の手は何故かいつも少し冷たくて、僕の命が燃え移るようにと握りながら共に歩いた。
ずっとその日は続くと思っていた。
時は流れて、僕達は袂を分かつことになる。
時折あの冷たさが恋しくなるも、この指先は、二度と君に届きそうに無い。



<三百年組/声>
声は届かなくちゃ意味が無いんだよ。虚しく響くだけなんて何の意味も無い。
だから君に届かないと知った時、声なんていらないと思ったんだ。
でもそれは逃げでしかなかった。
もう一度、届けに行くよ。僕の声を聞いて。そして君の声を聞かせて。
例え交わらなくても……



<陛下とルガト/酔う>
「辛い判断ですな」
「いや、それを実行するそなたほどではない」
集いつつある宿星の前に、我々は少しずつ選択を迫られていた。人はそれを非道だと罵るだろう。
いっそのこと、独裁者として酔ってしまえばそんな苦しまずに済むのだろうに。
我が主は、優しすぎたのだ。



<三百年組/朝>
「おはようレネフェリアス、いい朝だね!」
「ああ、おはよう、ゼフォン」
森羅宮のカーテンを開けて周る元気な少年に笑みを零す。それは幸せな朝だった。
あの時は疑っていなかったのだ。
リファイアントの我々に、黎明は永遠に訪れ続けるものだと。



<三百年組/晴れ>
「レネフェリアス!雨が上がったよ!」
一週間ぶりに晴れ間が見えた。差し込む陽の光が夏の到来を告げる。
彼は外に飛び出るつもりだろう、その姿を微笑んで見送る。
しかし、空は晴れたのに……いつからだろう?
私の心は靄がかかったままで、空など見えないのだ。



<レネ陛下/雨>
愚かなことを…私の袖の下に居れば、このような惨事にはならなかっただろうに。
そう心で呟いて、村を地図から消した。
だが、ある時に記憶がブレた。過去が変わったのだ。過去を変えられるならば、その愚かさを変えねばならないのに……何故、人は気づかないのだろう?



<三百年組/星>
君が宿星でありますように。さすれば天魁の星が君を救ってくれる。
そう願って幾千の日が過ぎた事だろう?
もう無理だと分かっているのに諦めきれなくて、息を吸うと胸が軋んだ。
僕はただ、会いたい時に会いにいけた、あの昔に戻りたいだけなのに。
君は、星より遠い。


<三百年組/温度>
君から遠くに離れてしまって、慌てて戻ったときには遅かった。
君を照らすことができないと知った時、僕は太陽であることをやめた。
僕の手は温度を失って、もう君を暖めてあげることはできないけれど、僕は太陽を探して、必ずもう一度、君を照らしに行くからね。



<三百年組/温度>
例えるなら、君は太陽で私は月だった。自ら輝く熱とそれに照らされるだけの存在。
それは絶対なる温度差だった。その太陽が離れる事になったが動揺はしなかった。
月が月である事に変わりはないし、どこかで太陽が輝いているならばそれでいいと、その時は思ったからだ



<三百年組/欲>
彼は欲が薄かった。
長く治世しているが、横暴な振る舞いや感情とは無縁で……故に、それを見たときは思わず吹いた。
「何これ……レタス?」
何でも王宮に上げられるものなんだとか。そういや君はレタス好きだったっけ?
まぁいいや、ちょっと団長さんにねだってこよう。



<陛下/欲>
人間の欲は留まる所を知らない。
安全の欲求が満たされれば次の欲が出てくるなど、既に解っていたはずだ。
だがそれを目の当たりにした時、落涙した。
そして無欲であろうと誓う。私が求めるのは種の存続のみ。
もう壊したくはない……なのに何処かで何かがひび割れる音がした



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