【登場する人】
雲中子、太公望
【CP】
特に無いけど太乙愛されてるとおもう
【備考】
シリアスに見せかけたただの説明会話
崑崙山2が発信されてから、雲中子と太公望が太乙を気遣う話。
※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
それでもいいよ!という方のみお読み下さい。
「太公望、ちょっといいかい?」
崑崙山2が出発して一日が過ぎた。
新しい居城での生活にようやく皆が慣れ始めて、そこらでは騒がしく仙道が行き来している。
功夫を積み直す者や、趣味を楽しむ者まで実に様々だ。
そんな中、最高司令である彼は忙しい方で、掴まえるにはなかなか苦労がいった。
「おお、雲中子ではないか、どうしたのだ珍しく真面目な顔だのう」
「まぁ、太乙の事でね」
場所をかえたい、と目で問うと、示し合わせたかのように人気のない部屋に入った。
「君も薄々気付いていると思うけれど、この崑崙山2は……」
「危険なのであろう?」
「さっくり言うならば、そういうことだね」
壁に手を置くと、ひんやりと冷たい岩の感触がする。
いくら小さいとは言え、この居城はかなりの重さだ。
「あれは、危ないところの説明はしないだろうからね。私が言っておこうと思ったわけだ」
「楽天的に見えてあやつは責任感があるからのう」
「そうだね、付け加えるとしたら『役に立ちたがり』かな?
彼は十二仙として戦闘能力が低いと言うコンプレックスを持っているから、できることはなんでも引き受けようとしてしまうキライがあるね」
「よく見ておるのう」
「ま、付き合いが長いから」
戦いは力だけではない、と言うことを理解しているのに、そのコンプレックスを捨てられているつもりが、実のところ全く捨てきれていない。
故に『使えない仙人』のレッテルを貼られない為に努力を惜しまなかったりする。
悪いクセだと注意したこともあったが、理解していると返されるものだから、ほとんど無意識下なのだろう。
「それが吉と出るなら私は構わないのだがね」
「凶と出る、とおぬしは踏んだのだな?原因は力を使い過ぎかのう」
「そう」
「わしも消耗が激しいのは気にかけておったのだ……勿論これも宝貝なのであろう?」
これとは即ち、私達の足元にある岩塊。
問い掛けに頷いて返すと、太公望は腕を組んで溜め息をついた。
言わなくても事の重大さがわかるらしい。
「これほど巨大な宝貝を、移動かつ機能させておるのだ、かなりの仙力を使用しているか……」
「ああ見えて、仙力だけならば十二仙トップクラスだからね。ただ戦うセンスがなかっただけで」
彼の潜在能力はかなり高い。
だからこそ……
「驕っている」 「過信しておるのか」
同時に声に出た言葉に、互いに頷く。
「できるだけ私もサポートに入って見るつもりだけれど、この要塞はじゃじゃ馬でね。
私も動かせるかやってみたが、維持しかできない。
しかも三時間ちょっとで私の仙力は空っぽだ」
「その休息時間の他は全てあやつの力か……執念のようなものを感じるのう」
「わざとか、いた仕方無くかは計ねるが、扱いがとても厄介なのは確かだよ。
一つの宝貝に見せかけて、これはいくつもの宝貝の集合体でできている。
移動はもちろん、生活に必要な力、照明、策敵、主砲も使っていないけど、全てね」
「ふむ」
「あの子はそれを同時に動かしている。絶妙な仙力のかけ具合でコントロールしてね。
たとえ操縦はできても、私にはそのような芸当はできないし、普段そのような力の使い方に慣れていない他の仙道では無理だろう」
「文字通り、太乙にしかできぬ芸当だのう」
やれやれ、と苦笑いをして肩を竦める彼をじっと見る。
「そして何より困るのが、その無茶をドーピングで切り抜けようとしているところだよ」
「昔から薬に頼り気味なのは治らぬか」
「今、彼の無茶を止められるのは君しかいないよ、太公望。
到着は遅れるかもしれないが、急がば回れ……だ」
「わかっておる」
「頼んだよ、彼は私の大切は友人だからね」
空気の抜ける音と共に、自動式のドアが開く。
薄暗い部屋に陽の光が差し込んで、少しだけ目が眩んだ。
「そんなくだらないことで殺したくはないのさ」
だが、無情なことに、この願いは数日で破られる事になるのだった。
了
シリアスなのかよくわからない話ですが
実は太乙はスゴイ人なんだよ、という話。
私はリアルであの閑話を読んだ時は「太乙スゲェエ!」と思ったものです
力のインフレを起こしている(笑)あたりになってくるので
あまり気に留められてないのかな?と思うんですけど
あの崑崙山2を操縦(しかも太乙の力だけで)している上に
あの威力の通天砲を撃てる力ってかなりのものでは?なんて思ってました。
まぁ申公豹に馬鹿にされてましたがw
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