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来襲、君来たりて(ナタク×太乙)

【登場する人】
ナタク、太乙

【CP】
ナタ乙 逆にあらず注意!

【備考】
そろそろお年頃なナタクが無駄知識をつけて帰ってきました。
太乙の運命やいかに!
※ヤってませんが、押し倒してますのでお気をつけ下さい。


※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
 本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
 それでもいいよ!という方のみお読み下さい。











 まどろみの中、遠くで久しい音を聞いた。
あれは愛する我が弟子の……


ああ、起きなくては……


そう、身体に力を込めてみるも、まどろみの中へ落ちようとしている意識は上手く浮上しなかった。




 機械音は大きくなり、近辺で止まると聞こえなくなる。
扉を開ける音に続いて閉まる音、そして瞼を挟んで感じる僅かな光。
いつまた気紛れで帰ってしまうか分からないし、居るうちにメンテナンスをしなくては、と再度身体を起こそうと試みる。
同時に寝室のドアが開いた。

「やぁ……おかえり、ナタク」

 宙に浮いたような気分で、どうにかそれだけ口にする。
まだ上手く意識が覚醒しないまま、ようやく腕に力が入り上半身を起こした。
だが、次の瞬間、世界が回ったと思ったら、再び頭は枕の間に埋まっていた。


あ れ ?


同時に両肩に硬くて強い、押さえ付けるような力を感じる。

「……ナタク?」

想定外の行動に意識が徐々に浮上する。
何がどうなっているのかは相変わらずさっぱりわからなかったが。

「どうし……」

たの?と問い掛けようとしたその時、鎖骨あたりにピリッとした痛みが走った。

「ッ!?」

ようやく鮮明になった視界の隅では、見慣れた赤い髪が映る。

「へ?ナタク、一体何して……」

「黙っていろ」

少しはだけただけだった寝間着を本格的に脱がそうと試みる弟子の行動を、ポカンとして見ていた師は、思い出したように抵抗を始めた。

「ちょ、こらこらこらこら!ななな何!一体何!?」

いや、これでも齢千年なんてとっくに超えてる仙人なのだ。
この歳でその行為を知らないとか、そんな話ではない。

「まさか、ナタク……っ!」

抵抗する手を易々と掴み取られ、逃げようと暴れる身体も軽々と封じられる。
我が子同然として可愛がってきた弟子と、いきなりこんな展開になるなど、まさか思ってはいない。

「やめなさいナタク!ナタ……んッ!!!」

ガチ、と硬い音を立てて、歯がぶつかりあう。
接吻のせの字も知らないであろうし、勿論行為も初めてであろうに、怯んだその隙を見逃さずに差し込まれて来た舌が、荒々しく口内を這い回った。

「~~っ!!」

慣れていないながらも、しっかりと意思を持ったその行為に、恐ろしいことに頭がぼんやりしてしまった。



いけない



その言葉が頭を過ぎった次の瞬間、あっさりと口は開放された。

「息ができん」

「っばか!」

文字通りの初めてなのだろう。
ナタクのファーストキスは恋人と、と(勝手に)決めていたのに……よりにもよって自分が……そう思うと死にたくなる。
が、今のナタクの年齢を考えると、そろそろこういう行為に興味を持ち初めてもおかしくない年齢なのだと気付く。

「こんなコトどこで覚えて来たんだい……」

口許を袖で拭いながら、呆れたように問い掛ける。

「今日、人間界の街で」

世の中はなんと世知辛いのだろ。

「で、何で私で試そうとしたのかな?」

「泣かせてやろうと思った」

「……」

理由で既に泣きたくなる。
忘れたことはないが、この子は天性のドSだったと改めて痛感した。

「で、私にこんな嫌がらせをしたと」

こくりと頷く素直さは、師として親として可愛くは思うのだ。
が、導く者としてそれだけではいけない。
ここはやはり教育しなくてはならないのだろう。

「ナタク、あのね。
キミが何処で、何を見て来たのかは私には予測しかできないよ」

上に乗られて、動きを封じられている今、この危機を潜り抜けるには言葉しか残されていない。

「けどね、これは『好きな人』とする行為なんだよ、ナタク」

「!」

 決して世の中では、そうではないと知っている。
自己欲のため、辱めるため、何かを守るための身売りなど、好きではなくても及ぶこともある。
だが、しかし、まだ身についていない知識ならば、正しくつけさせるのが親の役目だろう。
ナタクは険しい、惑いの表情を見せると、静かに身体を開放した。

「キミがそういう事に興味を持つ歳だと忘れてたのは、私の落ち度だから謝るよ」

「……フン」

「う~ん、誤りの知識を持ち続けるのは良くないなぁ。明日から少し勉強しようか、ナタク」

 はだけた服を直しながら、この件を如何に解決するかを考える。このままではいけない。
好きだからといって母親を襲いに行かれたらたまったものじゃないし。

「嫌だと言っても駄目だからね。所謂、強制イベントというやつさ」

「いやだ」

「こら、何処へ行くのさ!」

「帰る」

 くるりと踵を返して飛び立とうとするナタクを呼び止めようと立ち上がる。
寝台の横手に置いてある、己の捕獲宝貝に手をやると、言葉を発するより早くナタクを閉じ込めた。

「貴様!やっぱり殺す!!!」

「ほんと聞き分けのない! 私にとて親の責任というものが……!!」

「うるさい黙れ!誰が親だ!」

「そう言いつついつもここに戻って来るじゃないさ、とにかく私に一言謝るべきことがあるだろう」

「知らん」

そして暫く続く口論の末、無駄を悟った師が睡眠に入り朝を迎えるのであった。
















あとがき?

続きで道徳さんが太乙を大笑いしながら、ちゃんとナタクに性教育してくれるという構想があったのですが、冒頭だけ書いて力尽きました。
あたまのわるい話ですみません。

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