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それいけ追い越せにじゅーろく!(FF4 カイン×エッジ)

登場人物:カイン セシル エッジ

CP傾向:エジセシから始まるカイエジ

制作時期:2007年1月

カイエジちゅー話。
全然年上じゃないエドワード王子……。
セシルはみんなのアイドル(笑)













「なぁなぁ、見てみろよセシル」

「~~~っ!!!」

 天気の良い晴れた夜空の下、クジラ船の隣で張られたテントと焚き火の隣で、月へ挑むメンバー達は和気藹々と騒いでいた。
メンバーといっても男だけで、ローザとリディアはクジラ船の中だ。

野郎の園の中心では、派手な本が開かれていた。
俗に言う『えっちなほん』である。

「わーすげ~」

なんて興奮しながらめくるエッジの隣では、エッジに腕を回されて肩を組まれているために逃げることのできないセシルが、耳まで真っ赤にさせながら両手で顔を隠していた。
そんな状況を興味なさげにちら見しながら、カインはひたすら槍の手入れをしている。

ページをめくる度に無理矢理セシルに見せるエッジは、女子を苛める幼い男子のようだ。
内容はともかく、非常に平和なその空気はすぐに打ち砕かれることになる。
発端は勿論トラブルメイカーのエブラーナ王子様だ。

「そうだ!なぁ、セシル!接吻の練習しようぜ!」

「え、えぇぇぇ!?!?」

エッジは『いいことを思い付いた!』といわんばかりの笑顔で、組んでいた肩を両手で掴んで向き合わせる。
セシルはと言えば、敵と対峙している時など想像もできないような情けない顔と声を上げてオロオロしていた。

「そんな、ダメだよ。ぼ、僕には…ローザが……」

消え入りそうな声で抗議するも、我が道爆進中のエッジにはそのようなものは通用しない。

「バッカ、だから練習だって!……いいのか?本番で上手くいかなかったら。やったことねぇんだろ?」

「そ……れは、そうだけど。エッジはどうなんだい?」

実際キスの体験はあるのだが、セシルは常に受け身であったためにカウントされていないらしい。
そんな困った顔のセシルを追い詰めるように肩の手に力を込める。

「ない!!!だから練習だっつってんだろ」

「そうなんだ、ちょっと意外だな」

「エブラーナでは女子との接吻は婚姻を意味すんだよ」

「え!?じゃあやめておいたほうが……」

逃げる口実とばかりに追究するも、忍者はするりとそれをかわした。

「野郎はいいんだよ」

練習だから野郎でok。
よくわかるような、わからないような理由である。

「ほら、恥ずかしがってたら先に進まないぜ?」

「えぇぇ……」

頬に手を添えられて、セシルは心底困惑しているようで、助けを求めるようにカインをちらりと見上げた。
それに気付いたカインは、やれやれと溜め息を漏らす。

「おい、バカ王子」

全く無関心を装っていたカインだが、そうでもなかったようで、席を立ってこちらに近付いてくる。

「何だよカイン、邪魔す…「キスの練習だったらセシルじゃなくてもできるだろう」

言葉が遮られ、マフラーを引っ張られたかと思うと、一瞬にしてカインの顔が目前へ迫る。
エッジがその意味を理解する頃には、既に唇は触れ合っていた。

「っ!?」

「わっ!!!」

間髪入れずにぬめった何かが口内に侵入して、それがカインの舌だと気付くのに数秒かかるほど、エッジは混乱していた。
隣のセシルもいきなり繰り広げられるキスシーンを直視できずに慌てて後ろを向いて耳を塞いでいる。

エブラーナの忍者たるもの常に平常心

なんて言葉はまるで無意味だ。

「んっ……ッッ!!!」

硬直している合間に、そのぬめりは口内を這い回り舌を吸われる。
何が何だか分からず、息も付けず、苦しくて、自然と目尻に涙が浮かぶ。
抵抗しようにも歯の裏をなぞられて力か入らないばかりか、響く水の音に脳は麻痺していくばかりだった。

なんだよこれっ!!!

わけわかんねぇ!!!

逃げたくても頭は固定されているし、マフラーは引かれたままだし。

これはまずい、苦しい、死ぬ!殺される!

目を瞑って死ぬ覚悟を決めたところで、ようやく口は開放された。

「はぁっ……ッんなんだよ!」

「練習だろう?」

「わけ、わかんねぇ……死ぬかと思ったぞバカカイン!」

エッジは肩で荒く息をしながら錯乱気味に喚く。
口元をごしごしと手の甲で擦ると、目元に涙が溜まっていることに気付いたのか、悔しげに頬を紅潮させた。
そんなエッジを満足げに冷たく見下したカインは、もう終わったかとそろりと顔を上げたセシルの肩を軽く叩く。

「10点だな」

「はぁ?」

何がだ、と聞く前に

「今のキスだ」

と返される。

「ちなみに100点満点だ。赤点だな、話にもならん」

そりゃ確かにされるがままだった。
とは言えこの態度と言い方は相当腹が立つ。

「むっかっつっく~……」

エッジはぎゅうと握り拳を振わせると、その指をびしっとカインに突き付けた。

「カイン!今に見てろよ!この天才忍者エッジ様、100点なんてすぐなんだからな!」

「ほう?いつでも受けてたとうじゃないか」

「年上の恐ろしさ、絶対思い知らせてやる!!」

凄い勢いで啖呵を切ったエッジは、エロ本を小脇に抱えると『もう寝る!』とテントに駆け込んで行った。
そんな騒々しい様子を、ぽかんと見ていたセシルと、そんなセシルの髪をくるくると指で弄りながら見送ったカインは、静かになると自然と顔を見合わせた。

「えーと……」

「ん?セシルにもしてやろうか?」

「いや、遠慮しておこうかな……」

軽いからかいをかわしつつ、未だに照れたままのセシルは苦笑する。

「じゃあどうした?何か言いたげだな」

「いや、10点はあったんだって」

確かにカインの容赦ない性格ならば、本当に下手なら0点なのだ。
セシルはどうやら謎の10点の存在に気づいており、理由を聞きたいらしい。
蒼い瞳に問われて、カインは隠す事無く口を開いた。

「ああ、それはな。キスしている時のアイツの表情はなかなか煽るものがあるとな」

「それって……キスの上手さ関係ないような……」

再び顔を赤くさせて、おずおずとツッコミを入れるセシルの一言に、カインは他人事のように『そうだな』と頷いた。











勢いと思いつきだけで書きました、初カイエジ(セシ)
カイセシだけどロザセシでカイエジだけでエジセシでもあります。
……うわぁカオス。
エッジとセシルがmyPT内の受なんです。それだけ!
セシルは溺愛、エッジは弄られ愛……。

タイトル思い浮かばなかったので投げたオワタ\(^o^)/

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