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それぞれの想い人 (サガフロ2 ロベルト→プルミエール→グスタフ→ロベルト(笑))

登場人物:ジニー、ロベルト、グスタフ、プルミエール

CP傾向:ロベルト→プルミエール→グスタフ→ロベルト(笑)

制作時期:2004年だとおもう。

ロベルト一人称でED後の旅の途中。
まわってる三角関係が見所?

※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
 本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
 それでもいいよ!という方のみお読み下さい。



それぞれの想い人




晴れ渡った青空の下。
人影もない広大な草原の細道を進む、人影。数は四つ。
この間、影ながら世界をやんわりと救った、俺達救世主パーティ御一行だ。

エッグとの決戦に勝利を収め、目的を果たした俺達は、
皆、それぞれの家へと帰っていった…………なんて、あるわけないじゃないか。
戦線離脱をしたのは、師の元へ帰ったミーティアちゃんと、ウィルさんだけで
他のメンバーは特にやることもなく、子守をすることになったんだ。

ここでちょいと自己紹介。俺はロベルト・ビラス。元ディガーの術使いさ。
担当は勿論術、そして弓術での後方支援。
こう見えても体力はあるし、役に立つ男なんだぜ?そこのお嬢さん。





延々と続く原っぱの中、やたら元気に浮かれて歩いているのが、
金髪の少女、我らがトラブルメーカーでありタイクーン・ウィルの愛孫、ジニーちゃん。
そう、この子のお守りが、当分俺の目的。

「あー!見て見てっ!あんな所に大きな青い鳥が飛んでる、綺麗ねぇ~」

遙か上空で旋回している珍しい大鳥をブリムスラーヴスで指さして、ジニーちゃんが花のように笑う。
前向きで真っ直ぐで、何にも一生懸命。-好奇心旺盛とも言うが…-
誰にも好かれる明るく優しい性格で、ああ見えても腕っぷしは強いし。
そして意外と甘えっ子な女の子。俺の妹みたいな感じかな?

「大きい鳥だな~、見たことのない種だぜ、あれ。」

ジニーちゃんの隣に並んで、悠々と風に翼を広げる大鳥を見上げる。
気ままな旅、それもいいもんだ。
妙にのんびりした気分になって、お天道様の陽を浴びる。
急ぐ必要もないんだし、たまには草原で昼寝も悪くないなぁ……。

「ちょっと、待って。」

少し険しい顔つきで大鳥を眺めるのは、俺の想い人、プルミエール。
ハルバードのような大振りの槍、ビーストランスも軽々と扱う槍使いの美女で、
いつもむすっとした顔。強気な態度。
でも、俺は知ってるんだな…彼女の気丈さは寂しさを覆い隠すヴェールだというコト。
俺は仲間思いで、よく皆を見ているから分かる。
更に、プルミエールが俺じゃない、他の奴が好きだってこともな。

「何故大鳥が、あんな大空を何回もぐるぐると旋回しているの?」

「へ?」

俺達パーティが足を止めた隙に、靴紐でも結ぶのかと思っていたが、
どうやら違うらしい。プルミエールの声には純粋な疑問と嫌悪が含まれている。

「う~ん、餌でも探しているのかもね?」

「そうね。そうだと、思うわ。」

それだ!!!!!

ヤバイ、と思った時には既に遅く、青い大鳥はこちらに向かって急降下を初めていた。
咄嗟にプルミエールがジニーちゃんに覆い被さり地に伏せる。
俺は瞬時に背中から妖精王のリラを解放し、矢をつがえて狙いをつける。
まずいか…当たっても速度は落とせないかもしれない。
マズイ、せっかくエッグ倒して平和な御時世になったってんのに、こんなところで
野鳥の爪に掛かるわけには行かない!!
振り絞った矢を手放した瞬間、首根っこを掴まれて俺は後ろ向けに倒れかかっていた。
鼻スレスレのところを、大鳥の爪がヒュゥと物騒な音を立てて掠めていくのが分かった。

「……無茶をするな」

「分かってるさ…サンキュ、グスタフ。」

「後方は任せた」

口数の少ない男は、短くそれだけ告げると、背中の鋼の巨剣を取り外して大鳥に向かい疾走する。
それに続いて、ビーストランスを構えたプルミエールが体勢を立て直して走っていくのが見えた。
尻餅を着いてよたよた起きあがったジニーちゃんも、既に状況を判断し、清歌を唱え始めていた。
俺も素早く飛び起きると、順々にガードビースト、生命力強化、ロックアーマーを三人にかけていく。

そう、あの巨大な鋼の剣と、フィニー王家に伝わる炎のクヴェル・ファイアブランドを持つ男こそが、
俺の相棒にしてプルミエールの想い人、グスタフ。
あんなに美人で綺麗で、心根は優しい魅力的なプルミエールに想いを寄せられてるってのに、
何でコイツは靡かないのかな…??そんなコトを術をかける間にもんもん考えてみる。
そりゃぁ、俺はプルミエールが好きだから、恋のライバルでもあるんだが、
それ以上にかけがえのない、俺の親友にして唯一無二の相棒だから、
グスタフにプルミエールを想う心があるなら、俺は身を引いてもいいとも思ってる。



元々、世界を支配しようとしていた、巨大アニマを持つ生きたクヴェル「エッグ」に勝利した俺達だ。
強いとは言え、こんな大鳥に負けるわけがないのだ。
プルミエールとグスタフの見事な連携を受けて、大量の血飛沫を上げながら大鳥は大地に倒れた。
勝利、まぁ当たり前。
前線で戦っていた二人のかすり傷も、生命力強化の獣術によって塞がっていく。
術力が少し減った意外、完全な勝利と言えよう。

「びっくりした。綺麗な青い鳥さん、赤く染まっちゃったね」

「人間を狩るモンスターだもの、仕方がないわ。私達に当たったのも運命ね」

プルミエールがビーストランスを払って血を落とす。
俺も一息ついて、妖精王のリラを降ろした。
敵の奇襲ほど警戒せねばならないのだが、あれほど驚くコトもない。
と、気が付けば、グスタフは俺の元に戻って来ようとしていた。

「グスタフ…お前って奴は」

「…何だ?」

せっかくプルミエールと共戦したというのに……いいような悪いような微妙な気分だ。

「いい加減、俺離れ、しろよ?身近にいる素敵な人が目に映らなくなるぜ?」

目の前まで来たグスタフは、俺の大鳥の爪で擦れた鼻頭に手を掲げると、暖かいアニマを送ってくる。
普段、戦闘では術をあまりしようせず鋼の剣で切り抜ける奴だから、術力が余っているのだろう。
そんな大した傷じゃないんだけどな…。少し、くすぐったい感じがする。

「必要ない。充分身近に居るからな」

主語がないぞ、主語が。プルミエールの事ならそうと言えと…言おうと思ったら。
治療を終えたのかくるりと踵を返して、細道をまた歩き初めてしまった。
その後に、戦闘後の処理を素早く終えたプルミエールが、後追うように付いていく。
意外と健気な所も、俺の好みだったりするのだ。

「俺も、コイツに負けないくらい愛してるぜプルミエール!」

突然の俺の愛の告白に、毎度ながら冷めたい目を向けてくるプルミエール。
届かなくとも、いつか届くかもしれないだろ?





「ねぇねぇ、ロベルト」

背中に妖精王のリラを戻して、再度歩き出そうとすると、後ろからジニーちゃんに声をかけられた。

「何だい、ジニーちゃん。ああ、ジニーちゃんも別の意味だが、愛してるぜ?」

「うん、ありがと。でもそうじゃなくって」

少し言いづらそうに、俯く。何だ何だ?

「あのね。本当に、気づいてないの??」

「~???????????」

本当に意味が分からなかった。
ジニーちゃん、何の事いってるんだ?そもそも何も話なんだ?だから、主語を付けてくれ。
そう抗議しようと思ったが…。

「ううん、分からないなら、いいの。行こ、ロベルト!」

「あ、ああ…」

「あ、後ね。私も負けないくらいロベルトのこと好きだからね!みんなもだけど!」

一体、何に比べて負けないのかが気になったが、先を行く二人に追いつこうと、
元気よく走り出したジニーちゃんに連られて、俺は走り出した。
クエスチョンマークを頭に沢山浮かべながら。




この疑問が解けるのは、もう少し先のこと。
まだまだ秘密の救世主一行の旅は続く。




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珍しくサガ・フロンティア2の小説です。勿論、突発思いつき。
ロベルト→プルミエール→グスタフ→ロベルトです。
片思い一週してんでやんの!な三人が好きです。
ジニーちゃんだけがグスタフのロベルトへの思いに気づいてるんですね。

こんなカップリング考えるのきっと世界で私一人でしょうね!
胸張って言えそうです。まぁ、もともとサガフロ2は少ないし。

サガフロ2のかのゴツイ設定資料パラ読みして、色々確認してたんですが。
ロベルトとプルミーの片思いは公式なんですよねー。
でもそれじゃつまらんので、グスタフはロベルトらぶー…で。どうよ?(駄目)
CP的にはグスタフvデーヴィドなんですが。(はぁ?何ソレ/従兄弟ー!)

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