登場人物:司馬懿、夏侯惇
CP傾向:とんい
作成時期:2005年かな?
司馬懿と夏侯惇の帰り道でおきた、小さな事件?
短いです。
※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
それでもいいよ!という方のみお読み下さい。
これは当然 そう、当然なのだ。
月の明るい夜更けだった。
少し夜目の効く者であれば、灯りがなくとも夜道を歩ける。
そんな中、二つの影が民家の壁を横切っていた。
司馬仲達、その人と。夏候元嬢である。
夜遅くまで宮に残っていた司馬懿を夏候惇が帰宅前に偶然見つけた。
治安が悪い街ではなかったが、
もう、すでに一介の文官ではなくなった
魏軍きっての軍師を独りで帰すわけにも行かず、夏候惇は進んで護衛を申し出たのだ。
……と、いうのは名目上の建前であり。
本当は、二人が互いに抱く特別の感情によって、である。
何だかんだ言って、やはり口実があれば傍に居たいのだ。
決して、そのような事は己の口から言い出すことはないが、
双方とも、自然とその気持ちをくみ取り合っていた。
「今日遅くなったのは、新兵に稽古をつけておってな。
覚えが良いのでついつい時間を忘れておったのだ」
「稽古のしすぎで大切な兵を潰すでないぞ?」
たわいもない、今日一日の出来事を語り合いながら夜道を歩く。
些細な事でも、幸せを感じる、
長閑で静かな二人の楽しみだった。
この林を過ぎれば、もう司馬懿の仮住まいが見えてくる…そんな所で
突如司馬懿が歩を止めた。
少し後ろを歩いていた夏候惇も何事かと思い、続いて足を止めた。
しかし、気を研ぎ澄ませても、殺気どころか人の気配さえも感じられなかった。
何か考え事か?と司馬懿を見ると、至って普段の落ち着いた表情で
「将軍、先に歩いて貰えぬか?」
まったく意図は掴めないが、元々あまり意図のある提案だと思わなかった彼は、
無言のまま、司馬懿の隣を通り過ぎ、再び歩き出す。
司馬懿はというと、ごく自然に後をついて歩き出した。
「どうした?何もないぞ」
何のこっちゃ、といった顔で司馬懿に振り返る夏候惇を見て、一言。
「月明かりで蜘蛛の巣が一本見えたのでな、先を行って貰ったまでだ」
夏候惇の顔が、僅かに歪む。
不快や怒りの歪みでなく、狐に一杯食わされたという驚きの表情であったそうな。
実話です。やっちゃたのは私。パパ上様ごめんなさい。
私のずる賢さ…というか、性格の悪さが発揮された日常の一コマでした。
蜘蛛の巣って気持ち悪いじゃないですかー
触っても死なないけど、できれば避けて通りたいじゃないですかー
司馬懿には、私なんかを軽く凌ぐくらいにはずる賢くあって欲しいです。
で、それさえも許してしまえるような夏候惇であってほしいです。
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