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優しさと温もりと、大切な笑顔 (旋風江 孫策×周瑜)

登場人物:孫策、周瑜

CP傾向:策瑜

制作時期:記憶にないけど、たぶん2003年

旋風江で策瑜。
ほのぼのふわふわを目指して。……短い。

※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
 本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
 それでもいいよ!という方のみお読み下さい。








屋敷に遊びに行ったら「外出中」っていわれたんだ。

だから俺は、アイツの好きな…秘密の花咲く丘へと、真っ直ぐに走った。






















 案の定、アイツはそこに居て、優しい風に枝を踊らせる樹の下で、
昼の暖かな日差しを受けて、瞼を閉じていた。


「……公瑾、公瑾?」


 少し息を切らせて、肩を小さく上下させながら幼馴染みの名前を呼ぶ。
寝息も聞こえぬほど静かに瞳を閉じて動かないものだから、
何もないと分かっていても少し不安になって、近づいてみる。


「なんだ、寝ているのか?」


 かがんで、風に軽く揺れている、結われていない長い髪を梳いてやる。
梳いた髪はサラサラと指の間から零れて 公瑾の肩に落ちる。
 さりげなくつけてある梅の香油が優しく辺りを包みこんで鼻をくすぐった。


「ちぇ、面白くない。せっかく見つけたってのに」


そんなことを呟いても、この優しい雰囲気が嬉しくて、つい顔が綻ぶ。


「ほら、公瑾起きろよ…無防備に寝てると寝首かかれるぜ?」


 悪戯心が少し騒いで、公瑾の耳元で囁くと、
耳にかかる息がくすぐったいのか…気配に気づいたのか、
ゆっくりと長い睫毛を目を開いて、ぱちくりと目を瞬かせる。


「よ!公瑾…おはよう。こんな所で居眠りなんて…
人が来ない場所といっても、不用心だぞ?」

「………伯…符……様…?」


 ようやく状況を理解すると、俺の顔を見あげて「すみません」とか謝りつつ、眠たげにふわりと微笑んだ。
 俺はこの笑い顔が好きだった、素直に綺麗だと思った。
他の奴に向ける、いつもの微笑みではなくて、本当に、自分だけに向けてくれる優しい微笑み…。
風もその微笑みを見て喜ぶように、花弁を連れて微風を吹かす。


「しかも人の気配にも気づかないなんて…心を落ち着かせすぎだ」


 心配して拗ねるように唸ったけど、でも「本当」の微笑みを向けてくれるのが嬉しくて、愛しくて、
にやりと笑って額にそっと口付ける。
そんな行動に照れ俯いて、反論の言葉を紡ぎ出す。


「心配は無用ですよ、私は貴方の気配だから気がつかなかっただけで、
他の者の気ならばとっくに目が覚めていますから…」

「……あのなぁ、本当かよ」

「それが殺気ならば尚のこと、気づかぬはずありません。
貴方に寝首をかかれればどうしようもありませんがね?」


くすっと揶揄の含んだ笑みを零して顔を上げると…大丈夫です、と凛と強気な顔を見せる。
 こいつは心が強い、俺なんかよりもずっと…心が…そう知りつつも、
「俺より弱いクセによく言う」と頭を小突いて、隣に腰を下ろす。


「もう一眠りしたら、俺に付き合え…ここまで来てやったんだ。
稽古くらいは付き合ってもらうぞ公瑾?」

「嫌ですよ、私では伯符に勝てないと知っておられるでしょう?」

「ハハ、じゃぁ、俺の稽古じゃなく公瑾の稽古だな」

「仕方がありませんね…しばらくすれば、お付き合いしますよ伯符様」


 双方、楽しそうに笑い交わすと、お互いに寄り添い合い、
心地よい暖かさと、丁度よい爽やかな風を身体に受けながら瞳を閉じる。
眠りにつくわけでもなく、言葉を交わすわけでもなく、
互いの体温を感じてその温もりを心に刻みこんだ。




 これは、戦乱の世を生きた漢が、死に際に思いだした…優しい思い出の一つ。



=終=









突発で書いた、策×瑜風味へぼっちラブラブ砂糖吐き駄文でした。

こう、柔らかい優しい感じが出てたらいいけど…
ただ甘いだけに……☆ゲフンorz


最後の一文を書いて、こいつらじゃぁ悲恋ものだと気づく。
切ないのがお好きな鈴妃さんです。

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