登場人物:ジェイド、ディスト
CP傾向:ジェイディスだと言い張る
制作時期:2006年春
精神的にジェイド押され気味ダークリシアス。
ややディストが悟ってプッツンしてます。
※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
それでもいいよ!という方のみお読み下さい。
私は、神に逆らう反逆者。
でも、それでも、あの頃の私は、誰かに必要とされなければ生きている価値が見出せなかったのです。
ジェイド。貴方は私の神。 どうか、私が貴方に背くことをお許し下さい。
否、貴方は私を許さなくてもいい。
私の罪は、私自ら裁くのですから……
先生という名の『愛情』を、貪欲なまでに求めたその罪は重い。
選ばれし死 「ディスト」
名を呼ばれて顔を上げると、鉄格子の外側に神の姿があった。 いつもは靴音や気配で気づくはずなのに、集中しすぎて気づかなかった事を少し悔やむ。
「ジェイド、何ですか、このような時間に」
実際、この石牢には時間を感じさせるものはない。 日に二回運ばれる食事と、看守の交代の時間だけで朝昼夜を判断するだけ。そして今は夜。
昼勤の看守が、先ほど最後の見回りを済ませて夜勤の者と交代しにいく姿を見た。
「様子を見に来ました。最近食べる量が減っているという報告を受けましたよ」
後ろで手を組んで、相変わらず姿勢良く立つ姿は、灯りを背にして神々しい。 しかし、言葉は逆に冷え切った祖国の雪のように冷たく感じた。
「何も見るような事はありませんよ。私は逃げませんし、自殺を謀るつもりもありません。そちらの処刑が決まるまで、逆らうつもりもありません。さぁ、見るものなど何もないでしょう?」
帰りなさい。と暗に告げて、再び書を記す事に注意を向けた。
「ピオニー陛下の温情で頂いた紙ですか……」
「ええ」
そう、この国の皇帝に、何か欲しいものはないかと聞かれたから紙とペンだけを望んだ。 皇帝の手回しで、紙とペンが配給されてきたその日から 死に急ぐようにペンを走らせた。
死刑が決まったわけではない。 むしろ、自分の譜業学者としての力は、音素の力を失いつつあるこの世界で必要とされるものだろう。
この世界にはジェイド……神の発想力がある。 しかしそれでは、卓上の空論だけでは実現できぬ事もあるのだ。
実現するほどの技術を持つのは、たぶんこの世界で私しか居ないだろう。 これは、自惚れでもなんでもなく……そこだけは事実。
ただ、自分は死罪を免れても死ぬつもりだった。
世界が欲しているのは私ではなく、私の知識と技術。 ならば全てを書に残そう、技術は残せないが、知識は残る。
そして、このくだらない世界に終わりを告げようと心に決めていた。
弾かれたものを、認められないこの世界で、必死で誰かに求められようと足掻いてみた。 結局残ったのは、孤独に悴んだ心と、全てを失った現実、拭い去れない人心の罪。 『人』として自由に過ごせる世界を、自ら永遠に閉ざしてしまった。 この足に繋がる鎖は、死を以ってしかはずれる事はないのだろう。
ペンを走らせる手を無表情に凝視されて、居心地が悪くなり顔を向けた。
「まだ何かあるのですか?」
「何を、書いているんですか?」
「貴方、それを聞いてどうするのです?」
質問を質問で返されて、更に質問で返す。 聞いてどうしようとするのか、貴方は止めるのだろうか。 これまで関わろうともしなかったくせに、今更気にする素振りを見せるなんて。幼馴染の情?
そんなもの、もう要らない。 こんな不遜な事を、思っている私は、とっくの昔に背信者。 むせ返るような怒りと悲しみを、心の奥底に追いやって、静かに溜息をつく。
「まぁ、いいでしょう。これまでやってきた譜業研究についてのものです」
「フォミクリーの……事も、ですか?」
「ええ、私が生み出したものの一つですから」
「まだ、先生のことを諦めていないのですか?」
「諦めましたよ」
とっくにね、と自嘲めいて言うと、少し安堵したような表情した神がの姿が瞑った。
「そうですか、賢明です」
「だから、こうして残しているのではないですか」
書きたかったものは、これまでの人生で完成させた研究内容と、かつての同志の事と、遺書。
誰に残すものでもない、残すならば顔も名前も知らぬ後世の者へ。世の中に、弾かれた悲しい存在が在ったという真実を伝えるべく。残された時間の中、寝る暇も惜しんで書き続けていた。
「こんな暗いところで? ただでさえ劣化している目が、更に悪くなりますよ」
いつもの嫌味も、今となっては笑う事もできずに
「書き終えたら、特に必要なくなりますから、それまで保てばいいのですよ」
「!!」
優しく返してやると、意図が伝わったのだろうか、少し息を呑む空気が感じられた。 珍しくいたたまれない様な瞳を返されて、少し可笑しくなった。
「書き終えたら、貴方はどうするつもりですか」
ああ、もう煩い。 質問ばかり投げかけて。 ……昔の私も、質問ばかり投げかけてきっとこんな感じで煩かったのでしょうね。
「そんな事を聞いて、だからどうするのですか? 私の今後など、関係ないでしょう?」
「っ! サフィール、お前は!!!」
「何ですか?」
「私や陛下が、お前を免罪させるためにどれだけ心を砕いているかッ!!!」
ジェイドの怒声が牢屋に木霊する。彼にしてはかなり激しい物言いだった。
しかし、自分が感じたのはただ不快感ばかりで、何かが心で弾けとび、同じく声を張り上げて、真正面から言い返していた。
「それはあなたたちのエゴでしょう!」
「サフィール!!!!」
ガタンと、立ち上がった拍子に腰掛けていた木の椅子が倒れる。イライラする、勝手な事ばかり言って。何を今更。
「誰が望みましたか!? そんな事っ」
「……いい加減にしなさい!」
「勝手にエゴを押し付けて、罪人を権力で免罪しようとする事自体が」
「黙りなさいッ!!!!」
彼らのエゴで生かされることなど、想定済みだったのだ。 しかし、改めて本人の口から聞くと、反吐が出そうなくらい腹がたった。 欲しかったものを、今更与えられても、虚しいだけで。
所詮己の力では掴み取れない事を見せ付けられているようで悔しかった。
彼らの計らいがあれば死刑になることはまずないだろう、だが自由のない人生など、自分にとっては死刑も同じことなのだ。
「そうやって、命令して、全て従うとでも思ってるんですか? 黙らない私が嫌なのならば話しかけなければいい。私は貴方達に何も求めていない。帰りなさい、貴方はここに相応しくない。
捨てておけばいいのですよ、もうすぐこの世から消える男ですから」
ぞんざいなセリフにジェイドの顔が怒りに染まる。 その血の色の瞳が燃え上がるように激しく揺れ、乱れた音素が冷気となって牢屋を駆け巡る。
「気に入らなければ好きなだけ、私をいたぶればいい。ここで神に殺されるのもいい。どうせ、何も変わらないのです」
「サフィール!!!!!!!!!!!」
鋭い風に切り刻まれて、赤い筋が幾重にも体に刻み込まれる。 これは神の怒り。背いた背神の徒への天罰。 痛みに顔を歪ませながらも、身構えるようは行動は一切とらずに、甘んじてその風の刃を身に受けた。
かくん、と足の力が抜けて冷たい石の床に、己の白銀の髪が散らばっているのを見て、そこで意識がプツリと途切れた。
く、暗い…しかも落ちてない。
亜麻亜麻eroにするはずが!おっかしー!
てか、どこかJDやねん!(すんません)
珍しく超ネガティブレインボー退廃的ディスト様ですた。
こうなったらジェイドは弱くなると思います。
ポジティブバカのディストはあしらえても
ネガティブバカになったディストは既に手に終えなくなっちゃってるんですよ!
その事に気づいて後悔するといい。
暗さはTHE BACK HORN的で気に入ってるんですけどね…
なんでエロにならなかったんだろう…(おまえがチキンだからさ!
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