登場人物:ジェイド、ディスト
CP傾向:ジェイディス
制作時期:2006年春
ケセドニアで会った二人の逃走、追走戦。
目指せ微ERO!…もちろん撃沈。
※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
それでもいいよ!という方のみお読み下さい。
「ディスト?」
本当は声などかけたくもなかったのだが……。
罪狩りたちの舞踏曲 「!?……ジェイド!」
白銀の髪を揺らして振り替えったのは、間違い無くダアトの神託の盾第二師団長『死神ディスト』その人だった。
物資補給の為に寄り、買い出しが終った後、既に日暮れ間近だった為にここで一泊していくことになったルーク一行。夕食までの空き時間を各自の自由時間にあてる事になり、ジェイドが皆と別れたのはつい先ほどだ。
今の状況と今後の行動を本国へ連絡しておこうとマルクト領事館へ行き鳩を飛ばし、宿へ戻ろうと帰路へついて、そして彼を見付けた。
流石にこの強烈な炎天下のもと、かの漆黒の衣服を身に付けるのは無謀だと気づいたのだろう
アンダーの赤のカッターシャツと肩まで伸びた銀の髪を、後ろで一つに軽く結わえている。
そして珍しくいつもの椅子は置いてきているようで、その細い足を地面につけて、露天をきょろきょろ見ながら歩いていた。
普段とはがらりと違う雰囲気に、ジェイドは一瞬気づかなかったのだが、それを彼だと気づいた瞬間声をかけてしまったのは、ほぼ無意識で。
「何故、貴方がここに……!?」
彼はそう口を開いたかと思うと、こちらが近付く前に全力で踵を返して逃げ出した。 そう、彼は今、自分達から追われる身なのだ。 捕まえる気はあまりなかったが、逃げて行くのを見過ごすわけにも行かなかった。
後手に回らないようにせめてここで何をしていたかくらいは聞きだしておいた方が良さそうだ。 そう瞬時に判断を下したジェイドは、ほぼ同時に駆け出した。
「待ちなさい!」
「ひっ!」
一瞬、ちらりと後ろをむいてこちらの追ってきている姿を確認した彼は更にスピードをあげる。
「追って来ないで下さいよッ!」
「そうは行かないんですよ!!」
普段、あの椅子に移動を頼りきりな彼の足は、あまり速くない。 しかし、最初の距離の差があった為にその間は一気に縮められるものではなさそうだ。
「こら! 止まりなさい!」
「こちらも、そうは行かないんですよ!」
道には夕方の為か人通りは多くなく、遮る人々が少ない。 何事だと振りかえる人の横を全力疾走で抜けて、二人はどんどん狭い路地の方向へ入っていった。
「ここで捕まるわけには行きませんから」
「では捕えませんから止まりなさい」
「嘘おっしゃい~~ッ」
勿論そんなものは戯言なのだが、これまでの仕打ちを身をもって覚えているらしく。 彼にあっさりと見破られているため意味をなさなかった。
曲がるたびに幅が狭くなっていく路地を何度目か曲がった時、ディストが止まった。 否、止まらざるを得なかったというべきか。 勿論、行き止まりだった為だ。
壁に囲まれ立ち往生してしまい、慌ててこちらを振り返ったったディストを問答無用で壁に押し付ける。
「……ぃっ!!!」
壁に背中を打ちつけたのか、小さく息を呑む悲鳴が聞こえたが、ここで手を抜いて逃がすまいと、腕を掴んで壁に強く縫い付けた。
「さあ、やっと追い詰めましたよ。観念なさい」
「ぅぅ、ジェイド……」
全力で走った為、双方荒く呼吸をしているのだが体力差と言うものが如実に出ており ディストの方はぐったりと汗を流している。
「で、貴方はここで何をしていたのですか?」
「………。」
「だんまりですか。今の貴方に黙秘権があるとでも思ってるんですか?」
肩で息をしながら俯いて視線を反らすディストを、追い詰めるように顔を近づける。 その瞳を鋭く覗き込む。
「ひぎぃ! ご、ごめんなさっ…いいいいます、言いますから」
身を硬くして縮こまり、ぎゅっと瞼を閉じてしまった。 自分の領域内に踏み込まれた時、いつものプライドが砂のように崩れ去るのは変わらないようだ。
「か、買い出しですよっ! ただの!」
焦りと動揺で上擦った声と共に突き出された物は、茶色い紙袋だ。
「念の為に中身を確認します。逃げたら串刺しですから」
「に、逃げませんよ」
拘束していた腕を放し、小袋の口を開けて中を覗く。 紙袋の底につまっていたのは、大量のホーリーボトルと少量のグミ類のようだった。 ああ、そうだ。彼は戦闘は不得意なのだった。
気になっていた移動は薬品に頼っているらしい。
「もういいでしょう? 返してください」
「ふむ。まぁ、いいでしょう」
再び口を閉じて差し出すと、ひったくるように奪い返された。 それをさも大事そうに胸元で抱きかかえて鋭い睨みを突き刺してくる。
「帰って、いいですか? 本当にここに寄った理由はただの買い出しです」
「そのようですね」
「まさか貴方がいるとは思いませんでしたが。では、行きますね」
さようなら、と短く告げて彼は逃げ去るように踵かえす。 一応、言葉どうり見逃すはずだったのだが……しかし、何故かそこで自分の腕が伸びていた。
無意識に伸ばされた手は、腕こそ掴めなかったもののそのカッターの袖をしっかりと握っていた。
「!!!」
袖とはいえ、力を反対にかけられたディストはかくんと動きを止めて振り替える。
「な、何ですか?」
「いえ……」
引っ張られて、前を広く開けたままのカッターがずるりとずれる。 生っ白い肩がちらりと見えて、同時にもやもやとしたものが、胸の中に渦巻く。
「暑いのはわかりますが、前くらいきっちりしたらどうですか?」
「へ?」
そんなこと言うつもりはなかったのだが、この言葉は意外にも自然と喉の奥から出てきた。 いつもから前を開けたままの格好なのだが、その姿が妙に気に入らない。 ジェイドはそんな自分を不可思議に思いながらも話を続ける。
「三十路を過ぎた男がこんなに前を寛げて……恥ずかしいとは思わないのですか?」
「な! しっつれいな! これはファッションですよっ!!」
空いている片方の手で、引っ張られた衣服を元に戻そうとしているが、依然掴まれたままの箇所は解かれる事も無く。鬱陶しそうにこちらを睨んでくる。
いつも陽の元にさらされているはずの肌は焼けておらず、雪国の民特有の白い肌を誇っている。 炎天下の元、運動して汗に湿ったそれは、本人の爬虫類のような顔とは裏腹にとても艶やかに見えた。
「私がどのような格好で居ようと、今の貴方には関係無いはずです。」
「ほう、そうですか」
ああ、ようやく理解した。この心のもやもやを。
解った瞬間、彼の腕を再び引いて、そのまま壁に押さえつけてやった。行動が理解できず、困惑の表情で見上げて来るディストに冷たく微笑みかけてやると。その服の開けた口から見える鎖骨に噛み付くようなキスをした。
「ぇ……?! ☆△¥■?▽×!!!!?」
突然のことに、びくりとその体が震えるのにひどく満足する。痕が残るようにきつくきつく吸い上げて、その箇所をゆっくりと舐め上げると、ぴちゃりと厭らしい水音があたりに響く。
ちらりと顔を覗くと、信じられないようなものを見るような顔して、耳まで真っ赤にしているディストと目が合った。
「人前でそう素肌を晒すものではありませんよ、サフィール。こういう事態にもなりえるのですから」
「…はっ! ぇ。じぇい…ど……今、何を……」
「私のものだという証を付けておきました」
「ぃいいぃぃいぃ意味がわかりませんッ!」
首を横にぶんぶんと振って、何かを否定している様子を見ると、かなり動揺をしているようだった。 そんな彼を更に追い詰めるように体を密着させて、その耳元で甘く囁いてやる。
「お前の事ですから、キスの痕のついた肌なんて気恥ずかしくて晒せないでしょう?」
「ひぃぃ……」
クスクスと含むように笑いながら言うと、耳に息を感じたのか情けない声を上げられた。 その頬のラインを手でツーとなぞりながら、顔を離すと金魚のように口をぱくぱくしている茹蛸がいた。 流石は洟たれ……もとい泣き虫サフィール。 その異名に違わぬように、早速目尻が潤みかけている。
「なっ…な、なっ…なんてことをっ」
「おや、痕が綺麗に残りましたね♪」
「ッ!!!!!」
不適ににっこり微笑みかけてやると、癇に障ったのか、激しく腕を振りほどかれて突き飛ばされた。これもまた体力の差が出て、よろけることも無かったのだが大人しく一歩退いてやる。
「冗談で…こんな……ジェイドの、ジェイドの馬鹿ーーー!!!!!!」
顔を紅潮させ、荒い息の中涙目と涙声で叫ばれても、怖くもなんともない。 彼はそう叫ぶと一目散に自分の隣を抜けて駆け出す。
その背中が消えて見えなくなるまで、目を細めてみている自分に思わず苦笑してしまった。 まさか、あんなものに嫉妬してしまうとは、情けない。
しかし、あれほどしっかり反応を返してもらえると楽しくてたまらないのも事実だった。 もう少し苛めてやっても良かったかもしれない。
自分も戻ろうと踵を返そうとすると、ふと足元に落ちている茶色の紙袋が目に入った。 先ほどディストが手に持っていたものだ。悪戯した際に落としたのだろう。 そのまま、捨て置く事もできずに拾い上げる。
安いものであるが、これを取り戻しに来ないだろうかと、心の中で考えてしまって。自分もそろそろ末期だと、思わず眉間に皺を寄せた。
今回はいつもより1.5割り増しでエロちっくに頑張ってみました!めざせ微エロ!!
……。
どこがやねん!!!……今日もチキンですorz
でも書いている本人はとっても楽しかったです。
前開きすぎなディストの服を正させるために、ジェイドが痕を残す話を書きたかったのです。
このあと超ディストになりますよ!!……なーんて。
うちのジェイドさんはディスト好きですね!(普通逆じゃ…)
もっとEROくしろよー!
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