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想い出壊して明日へゆく(皇国 ラズファード×リシュフィー)

登場人物:ラズファード アミナフ

CP傾向:宰相×リシュフィーがベース

制作時期:2007年3月中旬

書いた順番では宰相×リシュフィーの一作目。
またもや宰相一人称。短文。
はっきり言って面白くないと思う。

※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
 本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
 それでもいいよ!という方のみお読み下さい。














 嫌に肌寒い、曇った日だった。







 皇国の空の澱んだ色をした雲が、強い風に運ばれていく。その風の音を遠くに聞きながら、私は静かに執務に取り組んでいた。

「宰相閣下」

 不意に、女性の声が耳に届く。

「なんだ」

 そう、短く返すと、それを了承と受け取った不滅隊員アミナフが目の前に現れた。膝を付き、面を上げないその無表情な顔を見て、いつもと一緒だと分かりながらも、何か良くない報なのだと、直感が告げていた。

「忙しいところ申し訳ありません、急報です」

「どうした」

「アフマウ様の護衛に当たっていたリシュフィーが先程、消息を立ちました」

「……」

 不滅隊の消息不明は、死を意味する。隊ごとにLSを持ち、それで生存確認もされるが、不滅隊はその体に、生命派を認知できる刻印を持っているのだ。

「先程までマムークに潜伏し、マムージャと交戦していたことが隊用LSにより報告されており
最後の通信も同じ隊の不滅隊員が傍受しております。会話の内容と、生命派が途絶えたところをみると、戦死は間違いないかと」

「そうか……」

 書き物をしていた手を止めて、小さく……本当に小さく溜息をついた。

「して、アフマウは見つかったのか?」

 人は私を冷酷だと言うだろうか?
 それとも、それでこそが私だと言うだろうか?
 否、誰も言わない。
 不滅隊は国の重要な戦力ではあるが、切り捨て御免の部隊でもあるからだ。それは周知の事実であると同時に、隊員にとっても当然の掟である。国のために尽くし、働き、そして死ね。それは感情を殺す不滅隊にとっての絶対的な真理であり、誇りであるのだろう。
 だが私は、ただ一人の不滅隊を亡くしたことで、確実に心が挫かれているのが分かった。この感情の名を、私は知っている。
 哀傷だ。
 そう、間違いなく私は、リシュフィーに悼惜の念を抱いていた。


 しかし、私はこんなところで悲しむわけにはいかなかった。たとえその感情があっても、人に見せるわけには行かなかった。

「いえ、申し訳ありません。報告によると何者かにアラパゴの方へ連れ去られてしまったようです。彼の最後の通信が、例の傭兵に追跡を託したというものでした」

「そうか、ならば一刻も早く、我らも向かわねばなるまい」

 今は、彼女を連れ戻すことが先だ。彼が死んだのも、その為だ。
 ならば私は、私が彼に押し付けた真理と、来るべき世界を実現するために、妥協することは許されないはずだ。

「ラミア共を使う、すぐ用意をしろ、行け」

「はっ」

 アミナフは頭を下げると、瞬時に気配を断った。禁術を定めたのは皇室だ、ならばそれを解くことができるのも皇室であるはずだ。何も恐れてはならぬ。
 筆を置いて、席を立つ。禁術を破る時は、せめて私の声で破ってやろう。
 私は、一度だけ、誰も居なくなってしまった室内を一瞥すると、過去を断ち切るように踵を返した。



 なぁ、アフマウよ。
 お前は知っているのか?リシュフィーの死を。
 お前が、あいつでないと不滅隊に護衛されてやらないと駄々をこねるからリシュフィーをおまえにつけたのだぞ?
 俺の部下だった、俺のものだったあいつを……。
 ただ、奴の死を知って、少しは理解するべきではないか?
 己の身の重さを……。

 なぁ、アフマウよ。
 お前は、リシュフィーの側を離れて、何処で何をしているのだ?



 今、己は悲しむことはできない。
 だからそのかわりに、お前が……彼の死を悼んでやってほしかったのだ。











面白くなくてほんとすみません、まだ手探り状態です。
リシュフィーの訃報が届いたあたりで、どういう動きをするかなーと
妄想してみたお話です。

宰相の方はそれなりにショックを受けながらも
微塵も外に出さず、悲しむのは反対に不滅隊として生き抜いた
彼の誇りを傷つけるものだとか
無理やりに思って乗り越えようとか思ってます。
勝手にマウに悲しんでほしいとか思ってますよこの人。

人の妄想とは強いものですね。(´_ゝ`)



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