忍者ブログ

笑ってしまうような絶望の底で (TOA ディスト独白)

登場人物:ディスト(独白気味)

CP傾向:特になし

制作時期:2006年 夏


ディストの幼少の頃を妄想してみた。
滅茶苦茶暗い、精神的に暗い……!

※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
 本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
 それでもいいよ!という方のみお読み下さい。








「サフィール、よくやったわね。ジェイドと同じで今回も満点よ」

「や、やったぁ!」

 ネビリム先生が微笑みながら、テスト用紙を手渡して、慈しむように頭を軽く撫でてくれる。満点を取るのは、ジェイドほど簡単には、自分では行かない。それでも、褒めて貰えるのが嬉しくて勉強だけは全てをかけて頑張っていた記憶があった。
 ジェイドに褒められる事はない、満点を取れなければ呆れられる事はあった。クラスの子はジェイドが私塾に入るまで、自分を目の敵にしていたほどだから、むしろ何様だというような鋭い視線だけが降ってくる。
 母を自分のせいで亡くした父は、相変わらず侮蔑の目線と態度しか向けることはなく、私塾の成績が落ちたら即辞めさせるとまで言っていた。
 何時しか、ネビリム先生の私塾と、その手伝い以外の時間は全て勉学に励むようになっていたと思う。



「サフィール! 珍しく雪が溶けて青草が見えてるとこがあるんだって、遊びに行こうぜ!!」

 金の髪をした少年が、窓の外から顔を出す。その後ろに、ジェイドが居るのも見て取れた。
 彼は、大貴族の息子らしいとの噂がたっており、活発で大胆な性格ではあれど、その品性を輝くほどに発していた。その人を魅せつけるオーラは、彼を自然にリーダーたらしめる要素ともなっている。

「ごめんね、もう少しこの本読み解きたいんだ」

 彼は嫌いではなく苦手で、どうしても混じる気にはなれない。自分を嫌う同級生に、のろまな自分を嫌うジェイドに。絶対、自分の苦手な類の事であろう外遊び。
 ジェイドの側にいたいのは山々だが、自分がジェイドと共に居れる時間は学術レベルが近い話題の時だけなのだと思い知り、更に勉学に励むようにした。

「そうか、じゃ、またな!」

 何度も断っているのに、諦めずに何度も誘いをかけてくる彼。申し訳ないような気持になって、駆けていく背中を見送った。
 そしていつしか学術レベルだけは、一般人の域を越えていた。更なる知識を求めて本を読みあさる日々が続いた。







 そんなある、どんよりと雪雲が空をおおった運命の日。
 ネビリム先生が、死んだ。
 心にぽっかり穴が開いた、その部分によりジェイドの存在が大きく入り込む。付き従い言われるままにジェイドを手伝って、フォミクリーの研究を重ねて、マルクト所属の研究員になって。
気付けば学者号を手にいれて……。

 ふと周囲を見渡すと、何もなかった。

 フォミクリーと自分を捨てたジェイドはマルクトの軍属になり、かつての友はその皇帝になっていた。家に帰っても、気の触れた父がのんだくれているだけで、貴族の誇りなど欠片もない。帰る価値すらなかった。
 この歳まで培ってきたものは、知識と学者という肩書きだけで。フォミクリーの研究が禁忌とされた今、やりたい事がなくなってしまった。

 ああ、自分は何の為に生きてきたのだろう……?
 もはや、この世界には意味が無い。
 では、どうすればいい?自分も居なくなれば良い?

 違う。無くしたものを取り返せばいいんだよ。
 大丈夫、ほら、まだ自分が生きる理由はあるんだ……あるんだよ。

 そう、無音の白い世界の中で、白い青年は薄く微笑んだ。








ディストの幼少期妄想でした。
世間一般ではイジメられながらもジェイドについていくディストがガチみたいですが……私は恐ろしいまでに努力の子推奨です。
ジェイドに近づけるようにと、生きて動ける時間は全て勉強してるんですよ。
運動能力は初期で放棄しちゃってます!

で、昔はそれなりに素直で純粋だった性格が一変したのは
やっぱり先生の死と、その寂しさを埋めていたジェイドが離れてしまったことにより
精神が耐えられなかったんだと思います。

どう考えてもディストは家庭が幸せでなかったイメージがあるんですが
(親や仲の良い兄弟がいたらあそこまでジェイドに固執もしないかなと)
名前の長さからして貴族っぽいかな、とか。
でもあまり誇り高さはないので、貧乏貴族だといいです。

母親はディスト産んで病死。
父親は元々甲斐性がなかったんですが、更に荒くれて……っと。

すいません、妄想だけで突っ走ったのであんまり面白くないですね^^;

拍手[0回]

PR

Copyright © ひょうひょうと駄文 : All rights reserved

「ひょうひょうと駄文」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]