登場人物:ディスト
CP傾向:なし
制作時期:2006年春
ED後捏造のディストの日記独白。
ジェイド←ディストの切ない系を目指して失敗した痛いお話。
続きは脳内で完結して終わった。(ダメジャン)
※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
それでもいいよ!という方のみお読み下さい。
決別の前 ~ディストの日記~この牢に押し込まれて、一週間が過ぎました。ここはしっとりとしていて、少し寒いです。
今日、ピオニーがノートとペンをくれました。
そういえば私が以前、欲しいものを聞かれた時に筆記用具を頼んだことを思い出しました。
私は、他の囚人達と比べて随分と優遇されているとおもいます。
まさか、幼馴染として情けをかけられているのでしょうか…いえ、きっとそうでしょう。
国を裏切った者に、情けをかけるなんて、いつか寝首をかかれても私は知りませんから。
とりあえず、このノートは
研究内容を忘れないためにと、これからの日記をつけていこうと考えています。
今日、ピオニーが来て、ジェイド達がエルドラントから帰ってきたことを知らせてくれました。
レプリカルークとアッシュは戻って来なかったそうです。
どちらにせよ、あの二人は長くなかったのですから、これで良かったのかもしれません。
ジェイド達はやることが残っていると、慌しく昨日の夜にここを立ったようでした。
貴方が生きていて……良かった。
貴方がいない世界なんて、私には何もない世界と同じなのですから。
貴方に冷たくされても、過去の貴方を追いかけてしまう私はおかしいのでしょう。
でも、良かった。今はそれしか考えられません。
預言がはずれて、貴方が生きている。それだけでいい。
ピオニーが今日も来て、マルクトとキムラスカ、残されたレプリカの事、ダアトの事など
事細かに報告していってくれました。もう私には関係のない、どうでもいいことなのに。
私が囚人ということを忘れているのでしょうかね?
敵に塩をおくっているようなものですよ。
私は、少し自分の事とジェイドのことを考えてみました。
昔のジェイドは優しかった、今でもそう思います。
何もできない私を、撥ね付けもせずに傍に置いてくれた、
全てのものが私を見下す世界で、ジェイドだけが私の知能を見てくれた。
何も取り得のなかった私の才能を見つけてくれた。
何も言わずに、私が傍に在るのを認めてくれた。
それだけ良かったのです、あの頃の私は。
今も、今もきっとかわりません。ジェイドの傍に置いて欲しい…
そのためなら、私は何でもするのに。
昔にもどりたい、ネビリム先生に帰ってきてもらいたい。
でないと、ジェイドはきっと私を見てくれません。
なんだか混乱してきました、今日はこれで筆を置く事にします。
あれから一週間たちました、ジェイドは三日前にグランコクマに帰還して
今日やっと私に会いにきて、私と話をしました。
ピオニーから事情は聞いていますが、アッシュとレプリカルークについてや、ヴァンと六神将の末路などを簡単に。
どうでもいいという顔をしていたら、私の今後のことについて聞かされました。
つまりは、ネビリム先生のことを諦めれば牢から出られると
簡単に言えばそういうことでした。
まさか、冗談じゃありません!誰が諦めるものですか!
そういったら、ジェイドは呆れたような、悲しいような顔をしてこういいました。
「ネビリム先生のレプリカを作ることを私は望んでいない」と
そんなことは解っています。
「レプリカはオリジナルの記憶を持たないのですから」と
そんなことも解っています。
「そんな空虚なものでは、私はかわりませんよ」と
悔しいですが、それも……本当は……解っていたのです。
「もう、諦めなさい。それが貴方に対する私の願いです。」と
……それも、どこかでそれも解っていたのです。
でも、でもでもでも!ネビリム先生を諦めるということはジェイドを諦めるということです。
そんなことは嫌です。これまでの自分だけでなく、昔の思いでもなくなってしまう気がして、怖い。
私には何も残らない。
でも、本当にジェイドがそれを望んでいるなら……
怖い、怖くて震えてしまいそうです……私は少し考えねばなりません。今日は寝ます。
気分が悪い。普通に食べていたご飯が、急に喉を通らなくなりました。
お腹がすいていれば、少しは入りますが。
もともと私は食事に執着はありませんし、冷えたご飯なんか食べる気すらおきません。
別に拒食なわけでもないのに、このままでは体が持たなくなってしまう事が、少し怖いです。
先日からずっと考えていました。
そればっかりと笑われるかもしれません、けれど私にはやっぱりジェイドしかいません。
正直にいうと、ネビリム先生を諦めるなんてしたくありません。
ジェイドは研究資料などを全て破棄した今、続けるのは絶望的だと言っていました。
でも諦めるのと、諦めないのとでは根本的に違います。
きっと私ならできると信じていれば、できるかもしれませんし、できないかもしれません。
いや、そんなことは関係ありません。
これは私が捕らえられているとかそんな以前に、私の気持ち的な問題です。
もし気持ちが変わらなくて、変わらない場合処刑しか道が残されていなくても……
諦めるか、諦めないかというのは私にとって、それほど意味があるのです。
諦める道は、過去の全てを捨てること。
諦めない道は、正しくなくても自分を否定しないこと、です。
正直、迷っています。怖くてたまらない。自分を捨てたくない。
でも、ジェイドの望みも捨てたくない。
今の冷たいジェイドも、ジェイドです。それは解っているから……
大好きです。どうすればいいですか?
貴方はあれ以来姿を見せない。グランコクマにいると兵士が言っていたのに
やはり私はどうでもいい存在なのでしょう、そんなこと解っています。
解っているのに、胸が苦しい、こんな気持ち私は知らないから、怖くてたまらない。
また冷たくて寒い夜が来ます、手がかじかんできたのでここで終わります。
私はジェイドが好きです。
だから、決めました。私はネビリム先生を諦めます。
さようなら、ジェイド。
今日、ピオニーが来て罪と罰について話しました。
戦時中ということもあり、情報を持ち出した罪は死刑にはならなくとも終身刑に近いものになるらしく
せめて牢屋から出られるように、マルクト直属の研究員にならないかと進められました。
研究員になる場合、望むならジェイドの研究の一員としての地位を確約してくれるらしいです。
本当は、死刑だったんでしょう?いえ、私がネビリム先生を諦めなければ、きっと今も処刑されるでしょう。
私は、覚えているから。フォミクリーの技術も。何もかも…
私はジェイドほど頭は良くないけれど、記憶力なら負けませんからね。
本当ピオニーは甘いですね。
でも、私はもう決めましたから。
先生の事は、諦めますよ。だってジェイドの望みですから。
ジェイドのために、私はジェイドを諦めますよ。全て忘れるんです。
だから、これからジェイドに近づきません。一生です。
私がジェイドの望みを聞くのであれば、ネビリム先生を忘れなければならないのです。
私がネビリム先生を忘れるためには、ジェイドが傍にいては駄目なのです。
私を冷たくあしらう貴方を見ると
私を見下す貴方を見ると
私は悲しくなって、貴方の昔の優しさが欲しくなるでしょうから。
さようなら、私のジェイド。大好きでした。
私の全てでした。
貴方が笑うなら、私はなんでもします。
ですから、貴方が笑うなら、私はネビリム先生を…貴方を諦めます。
さようなら、さようなら さよ う な ―――
情けない事に、起きたら朝でした。
「明日答えを聞きに来る」とピオニーが言っていたので、今日来るでしょう。
きっと私に残されたのは、譜業を扱う能力と研究だけです。
あの人の下で働くのを辞退して、監視つきで構わないので他の街で研究員として働かせてもらうことを
掛け合ってみようと思います。
ついでに、この日記も渡そうと思います。
長々とこれまでを説明するより、これを見せた方が早いでしょうから。
人に日記を読まれるなんて、屈辱ですけどね。
ああ、ならば、ここに書いておきましょう。
万一にもジェイドのもとへ強制的に配属されることはないでしょうが
もしされた場合は……私は、この世に在りませんから。そのところ、宜しくお願いしますね。
私、頑固ですから自分の決めた事は、絶対曲げてあげませんから。
もうこの日記が手元からなくなれば、過去は消えます。
徐々に記憶など風化されるでしょう。
さようなら、私の思い出。
サフィール・ワイヨン・ネイス
なんか、ゴミ発見したのでつっこんでおきました。
一応日記形態なので、群落ごとに日付とかいれるつもりで
面倒で放置してあったんですねこれ!
TOA作品は増えるかわからないのでinしときます。
ディストはジェイド好きすぎて暴走してたので
暴走やめるかわりに全て忘れてサヨナラしますねって事です。
このあと、処刑されたと思ってたディストの事を、ジェイドが数年後に知って(ピオニーの部屋で日記見るんですよ)
憤慨しながらディスト迎えにいってハッピーエンドなはずでした。
ちなみにピオニーもディスト好きなんですが
「幸せになってほしい」が強いのでディストの好きなようにさせたんです。
……うーん。
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