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どのように眠りたい?(皇国 ザザーグ×ガダラル)

登場人物:ザザーグ ガダラル ザザお付

CP傾向:土×炎

制作時期:2006年冬

負傷したザザーグを見舞いにくるガダラルの短文。
なんかちゅーしてます。



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土蛇将ザザーグ、戦闘不能!

その報が競売へ届いたのは、激戦の真っ直中だった。
一瞬だけ気を逸らし、隣りのザザーグの守るべきエリアを見るも、
打ち込まれて来る剣戟を受止めるためにすぐに敵に注意を戻し、睨み付け身構える。

炎蛇の将はけたたましい喧騒の中、小さく「畜生」と吐き捨てると、更なる敵を屠ろうとその身を躍らせた。






通常、倒された将軍は、その無抵抗の隙を狙われ捕虜にされることが多い。
獣人達も聡く、将軍を確保しておいた方が、アルザビを陥落させやすいということを知っているのだ。

だが、幸いなことにザザーグは倒れたところを皇国兵に確保され捕虜にされず、負傷だけで済んだらしかった。
その報を受けたガダラルは、戦後の後始末を手早く済ませると、
細かい作業は部下のシャヤダルに任せて医務室へと向った。


「ザザーグ!」

勢いよくドアが開き、鎧姿のままのガダラルが早足で踏み入る。
部屋のベッドに横たわっていたガルカは相変わらずな笑みを浮かべると、体を起き上がらせて手招きをした。

「おうガダラル、無事だったか」

「当然だ」

「ガハハハハハ、そりゃぁ良かった」

いつもの爽快な笑い声にガダラルは端整な眉をしかめるとザザーグのベッドまで歩いて近付いた。

「笑い事か貴様、敵に囲まれて落ちたと聞いたぞ!?」

「やれると思った数だったんだがなぁ」

全く反省が感じられない声音で頭を掻きながら笑うザザーグを見て、ガダラルは一つ溜め息をつくと
近くにある椅子を引っ張ってきて隣に座った。

「こっちはまだ余裕があった、少しくらい競売に流せ。遠慮はいらん」

「わかったわかった、お前さんの獲物をとって悪かった」

諦めたように話す巨躯の将軍を見て、わかったかとでも言うように頷いた青年は包帯の巻かれた肩や腕を見て
思い出したかのように顔をあげた。

「で、傷はどうなのだ?魔法では治らなかったのか?」

「いやぁな、怪我はケアルで治っても、深い傷や怪我による疲労は治らないんだとよ。
傷が酷かったから、明日まで絶対安静なんだと、あーーつまんねぇなぁ」

包帯で巻かれた腕を持ち上げると、もう何とでもないと見せるかのようにひらひらと動かして見せる。

「そうか、なら大人しく寝ていろ。大事ないなら俺は戻るぞ」

その様子を見て、げんなりしたような、どこかほっとした様子のガダラルは、気を取り直したように椅子から立ち上がる。

「すまんな、心配をかけちまって」

引き止めるようにザザーグの腕が伸びると、ガダラルが離れる前にその腕を掴む。

「ッ!別に俺は心配してなどっ…!」

次の瞬間、腕を引かれて倒れこんだ。
覆い被さるようにベッドに乗り上がる形となり、ガダラルは思わず身を引こうと顔を上げると
そこにはザザーグの顔があり、鋭く睨み付けた。

「な、何をするっ!」

「いやなぁ、随分急いで来てくれたモンだと感動してなぁ」

「んなわけあるか!」

「照れるな照れるな、そらまだ鎧も脱いでないんじゃねぇか」

腕を拘束されたまま、より近く抱き寄せられる。
このままではまずいと、肩を押して抵抗をはかるも、病人であるザザーグの力にすら敵わず、ピクリとも動かなかった。

「だから、布団が……汚れるッ!放せ、ザザーグ!!」

戦いで血と埃で汚れたアミール装束は、軽く目立つ汚れを拭き取っただけであった。
確かに擦れている箇所のシーツが少し黒ずんで汚れてしまっている。
しかし、ザザーグはにやりと笑って見せると一言

「構うものか」

と呟いて、ガダラルの唇を奪い取った。
合わさるだけだったそれは、自然と深くなり部屋に奇妙な静けさが降りる。

「んっ!……ぅ…は…………ッき、貴様っ!病人なら、大人しく寝ていろ!ガルカのくせに盛るな!」

そんなザザーグの肩を押し、なんとかキスから開放されたガダラルは、頬を微かに赤く染めながら、口元を手の甲でごしごしと拭く。

「少しくらいいいじゃねぇか、勝利の祝い酒も飲めんでこっちは口寂しいんだ」

そんな姿を楽しげに見ていたザザーグは朗らかにそう告げると、口を拭う手を軽くつかんでどかす、

「俺は祝い酒代わりか!?」

「まぁ、そんなところか」

「ふざけるな、その手を放せ!放せぬのであれば選ばせてやる、
自分で寝るのと、スリプガで寝るのと、体力が尽きて戦闘不能に戻って寝る。どれか好きなものを選べ」

「相変わらずおっかねぇな……」

ザザーグはやれやれと腕の力を緩めると、名残惜しげにその手に口付けて放した。








「ガダラル様、ザザーグ様の様子はどうでしたか?」

外で、本来はザザーグが片付けるはずの執務を一人で捌きながら、付き人のタルハールに声をかけられる。
ガダラルは、顔も向けずに溜め息をつくと、短く吐き捨てた。

「元気が有り余っているようだったぞ?あれの疲労が濃いなどと判断したヤブ医は何処の誰だ」

「申し訳ありません、私が医者に、ザザーグ様にお休みいただけるようにと進言しました」

「……ちっ」

ガダラルは一瞬、鋭く従者を睨み付けたが、己の従者の顔を思い浮かべると苦虫を噛み潰したような顔で踵を返した。







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いや、あの……タイトルセンスなさすぎorz

何も思いつかなかったからってそれはひどい。
とりあえず世界初なんじゃなかろうかと思われる土炎です。
やっぱり隣接エリアでよく共闘するし、萌えるじゃないですか!

ザザーグはザザーグながらに、後方に控えてる猪突猛進墨魔道士を
守ってあげてるといいなー、とか思う。

んで、ガルカは性欲とか薄そうだけど、人を好きになったら触りたいとかいう気持ちは
種族関係なくあるといいな……うん。



ところで土付き人の名前の読み方わからんかったです。てけとー

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