登場人物:カイン エッジ
CP傾向:カイエジ
制作時期:2008年2月
珍しくカインが優しいカイエジ。
でも王子はツンツンです……。
微シリアス短文。
目の前で親父とおふくろを亡くして
そう簡単に割り切れるほど、俺は大人にはなれなかった。
湿っぽいのなんて大キライだ!
涙なんて俺らしくなんかねぇよ!
なんて虚勢を張って笑おうとしても、独りきりでみる満点の星空の下では無力で
優しく頬を撫でる微風の中、大きな岩の上に登って、声を殺してこっそり泣いた。
誰も来るなって、心の中で叫んでいたのに、こういう時に限って願いは叶わないもので
背後にあまり会いたくなかった奴の気配を感じて、慌てて涙を袖で拭って怒鳴った。
「こっち来んな!」
それでも気配は止まろうともせずに、真っ直ぐこっちに向かって来て
手裏剣でも投げてやろうかとも思ったが、泣き顔見られるなんてゴメンだったから
思いっきり背中で「来んな!」って言ってやる。
勿論、それも無駄だ。
「来んなつってんだろ」
くっそ、声が震える。
「なんだ、泣いてるのか?」
あーもう、バレバレじゃねーかちくしょう!
困ったように笑いながら近づく声の主は、岩の下まで来ると
軽々と飛び上がって背後に着地する。
俺は泣き顔は絶対見せたくないと腕の間に顔を埋めると
奴はそのまま、俺に背を向けて岩に座った。
「バッカヤロ、泣いてねぇよ!」
ぐすっなんて鼻を啜っておいて、全く説得力はないだろうが
それでも虚勢を張らずにはいられない。
年上のプライドだとか、男の意地だとか、そういうモンもあるけどよ。
何よりも俺がへこたれてる所を他人に見せたくなんてなかった。
俺はおちゃらけた王子様でいいんだよ!
辛いときも、人の分までいっぱい笑って、絶対絶望なんてするもんか!
だから、泣いてるところなんて見せられるわけねぇだろ?
俺はエブラーナの世継ぎなんだ。俺は希望であるべきなんだ。
そんな俺と同じ空間に居ながら、何も喋らない背後の男が気持ち悪くて
俺はまた逃げるように喋りかける。
「め、目にゴミが入ってちょっとイテェだけなんだからな、これはっ」
今更、言い訳もカッコワルイ気もしたけど
返って来た言葉に、そんな気恥ずかしさもぶっ飛んだ。
「無理をするな。 胸も、痛いんだろう?」
そういって、頭に暖かい手がふわりと下りてきた。
それは、昔、小さい頃に親に撫でられた時をふと思い出させて
やっべ、何だよこの不意打ちは!
意識してしまった瞬間、我慢して止めていた涙が堰を切った。
声に出してたまるかと、歯を食いしばったけれど、嗚咽は完全に消せなくて。
「おやじっ……おふくろぉっ……!!!」
俺は、一言だけ口を開いた。
俺は強くなって、仇を取って、国を復興させるから。
だから、今だけは……泣いてもいいよな?
二度と会えないとか、早すぎるだろっ?
「てか、なんでテメェこんな所に来たんだよ」
「散歩していたら抜け出すところが見えたのでな」
「ったく、趣味悪ぃぜ。 いいか?この事は絶対誰にも言うなよ!?」
「はいはい、泣き虫王子様」
「~~~ッ!!! ぶっ飛ばす!」
超尻切れトンボですが、思いついたので心の蔵入りする前に書いておく。
エッジ26ですよ。これで両親失ったら結構ショックだろうに。
FF4はギルバートやリディアもそんな境遇なわけですけどね(あいたー)
そんなわけでカインに慰めてもらいました。
実を言いますと「胸も痛いんだろ?」を言わせたかっただけですスミマセン。
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