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お前の物は俺のもの、俺の物は…(皇国 ルガジーン×ガダラル)

登場人物:ガダラル ルガジーン

CP傾向:見えないけど天炎とか言い張る

制作時期:2007年11月


なんかどうしようもない短い話









 まだあちらこちらから黒い煙が上がっている町並みからは、止むことのない喧騒に包まれている。
先程までトロール傭兵団の執拗な侵略を受けていたここ、アルザビは大きな打撃を受け、次の防衛戦に向けての休息や修復作業を全速で執り行っている。
本来は将軍が率先して行うそれに、炎蛇将の姿がないことに気付いたルガジーンは、指揮をザザーグに移して市街地に繰り出した。
彼がこたびの戦で陥落したという知らせはない、だとしたらこのアルザビ構内の何処かにいるはずだ。

ようやく見つけた彼は、いつもの見張りの位置で壁に背を預けて蹲るように眠っていた。

「ガダラル、傷を負ったのか!?」

彼の眠りはとても浅い、おそらく近付いた時点でこちらの気配に気付いているだろう。
思った通り、ガダラルは剣呑な視線をこちらに向けると面白くなさそうに呟いた。

「ただの掠り傷だ、それより気安く近寄るな」

「そうも行くまい、ほら治してやるから見せろ」

本来なら傷の手当てなどはシャヤダルが行ってしまうのだが、どうやら今はいないらしい。

「ちっ、うっぜぇ」

心底鬱陶しそうに吐き捨てられるが、意外にもガダラルは素直に腕を出した。
掠り傷と言うには深い傷が二の腕に走っており、千切れたアミール装束が赤く滲んでいる。
痛ませないように優しく手を取ると、傷の箇所に意識を集めて呪文を唱える。
しかし、それよりも早くガダラルが動いた。









「ドレイン!!!」


「っ!?」

体力が吸い取られる気味悪い感覚が体内を駆け巡り、なんとも言えない微妙な気分になる。
膝は付かなかったが、少しだけ目眩を感じ、ふらりとよろける。

「傷は塞がったし、文句はなかろう天蛇将?」

「ガダラルッ!」

さっさと腕を振りほどいたガダラルは、先程と違いやたら元気そうに隣を通り過ぎて行く。

「じゃあな、ちゃんとケアルしておけよ」

そう、鼻で笑うとこちらには目もくれず歩き去っていってしまった。
ルガジーンはその背中を諦めに近い溜め息で見送ると、ケアル2を自身にかける。

「わからん奴だな…」

ほとほと甘い気もするが、嗜める気はあれど怒りは感じておらず、そろそろ自分も重傷だな、と青い空を見上げた。








フレに天炎お願いしますと言われて書いた話がこれだなんていえない!(いってる)
ガダラルに振り回され気味なルガ様が好きなのかしら……
いや、そうじゃない。
ヤンチャっこなガダラルが好きなんだ!!!

そんなわけでタイトルの続きは勿論「俺の物は俺の物」

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