登場人物:赤也 幸村
CP傾向:赤幸
制作時期:2008年2月17日
バレンタインの短くてくだらないお話。
「愛してる?」10のお題。その10。
※ この作品は古い作品なため文章が稚拙です。
本来なら削除したいのですがマイナーなので残してあります。
それでもいいよ!という方のみお読み下さい。
まだまだ寒い風が吹き荒ぶ、2月のとある某日。
立海大附属高校への進学試験をつい先日終えた幸村元部長は、スポ専(スポーツ専攻進学)をほぼ確定させて、それはもう受験とは無縁の生活を送っていた。
流石に引退したテニス部にはたまにしか打ち来ないものも、学校のすぐ近くの室内テニスコートで毎日のように打っている。
そんな、相変わらずテニス三昧な幸村元部長と、新部長になった俺とは、帰りを待ち合わせて一緒に帰るのが最近の日常になった。
付き合い始めてそろそろ一年、元部長と一緒に居られるこの時間が、俺の一番嬉しい時間だった。
今日も、帰りに元部長を迎えに行って、帰り支度を待って、そして一緒に帰る。
ジャージから制服に着替えて、散らかした物を適当に鞄にしまっていく先輩を見ながら、長椅子に座って足をぶらぶらさせていた。
早めに来たら生着替えが見られてラッキー!とか思っているのはここだけの話。
そんなわけで携帯を弄りながら待っていたら、鞄の中を見ていた幸村さんが、突然声を上げた。
「あ!」
「え?」
何すか?っと顔を上げると、部長は鞄から赤い何かを取り出すと、こちらまで近寄ってくる。
「ごめんごめん、忘れてた。 はいコレ」
そう言って差し出されたものはポッキー1箱。
「へ?何スかこれ?」
なんか嫌な予感がする。
いや、まさかそれはないだろう。
なんて否定するも、残念なことに、次の一言は嫌な予感を的中させた。
「何って、バレンタインのチョコだよ?」
「!!!!!!」
ちょ、それはないっしょ!!!!!
いや、ポッキーでも貰えるんだったらそりゃ嬉しいッスよ!?
けど、けど
「幸村さん、バレンタイン……五日前なんですけど!」
「うん、だから買っておいたんだけど、忘れてたからゴメンって」
「…………」
あまり悪びれもなしに苦笑する姿は、まぁ普通はバレンタインにチョコをあげない男性なのだから当然だろう。
意識の違いというヤツだ。
だが、嬉しいけれどこの心境は一体何なんだろう?
確か五日前、幸村さんからチョコが貰えなくて
『だよな、流石に付き合ってても男同士でチョコとかねーよな』
なんて自分に言い聞かせて寂しさを紛らわせてたっつのに。
「ありがとーございます」
ちょっと不貞腐れながら、一応はお礼を言っておく。
そんな俺を見て、やっぱり申し訳ないと思ってるのかいないのか、幸村さんは
「赤也、チョコ一緒に食べよう!」
なんてにっこり笑いながら言い出した。
ちょ、この人俺の貰ったバレンタインチョコ取る気マンマンなんですけど!
「えーーー、かなり遅かったとは言え、せっかく幸村さんから貰ったんスよ!?
それはヒドイっすよ~」
「いいじゃないか、チョコくらいいつでも買ってやるよ」
「バレンタインチョコと普通のチョコは違うんですよー」
とりあえずは抗議するものも、あまりというか全く聞く耳を持たない幸村さんは
俺の隣に腰掛けるとさっとポッキーの箱を奪い取って開けだした。
何この微妙な心境……。
「どうせやるならポッキーゲームとかしましょうよ」
少しだけ背丈の近づいた顔に、ずいっと顔を近づける。
しかしそんな攻撃も完全スルーして、幸村さんと言えば既に袋の口を開けていた。
「だめ」
「いいじゃないですか、一緒に食べるんならそれくらい」
「だめ、だってポッキーって片一方の端っこにチョコついてないじゃないか」
一つ取り出して、はいっと口元にポッキーを出されたので、渋々口の中に含む。
アーンか、アーンだよなコレ。
まぁ、いいかなんてはぐらかされながら、相変わらずこの人……変だ、と心の中で溜息ついたら。
更に変な解答をされて、改めてこの人好きだ!なんて思ってしまった。
「チョコの少ないほうにあたったら、赤也が可哀相だろう?でも、俺もチョコの無いほうは嫌だし」
ようは俺は幸村さんが大好きなんだ。
より惚れた方の負け、とはよく言ったもんだよな。あーあ。
そんなわけでバレンタイン駄文でした。
遅れたからこんな話になったんじゃないよ!
思いついたのがコレだったので書く時期を狙ってたんです。
本当はこれの場所は部室で、ブン太がいて
「俺も食べる」とか言い出して赤也が「ダメっすー!」
っていうエピソードがあったんですが
場所が変更になったことにより大幅修正されて消えました。
ちなみにこれの三日前くらいに、幸村がブン太にムースポッキーで餌付けしてるとかいう話もあって
「ちょ、あの時よりチョコの価格が下なんすけど!!!」
と地味に赤也が凹む話とか……
って、赤也が可哀相なのばっかりですね。
なんで?(゜▽゜;)
ちなみに本当のお題名は「たぶんおそらくきっと愛してるはず」
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